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Hitachi

株式会社 日立ハイテク

国立がんセンターと共同研究契約を締結

-プロテオーム解析による血液診断法の実用化を目指す-

株式会社日立ハイテクノロジーズ(執行役社長:大林 秀仁/以下、日立ハイテク)は、2007年4月、国立がんセンター(東京都中央区、総長:廣橋 説雄)と共同研究契約を締結し、プロテオーム解析による血液診断法の実用化に向け共同研究を開始しました。

プロテオームとは細胞や組織、血液などにあるタンパク質全体を指し、近年質量分析の進歩によりバイオマーカー(*1)開発の切り札として注目を集めています。国立がんセンター研究所では大規模な臨床研究に取り組み、診断の困難な膵臓がんの早期診断マーカーを発見するなど実績を上げていますが、この共同研究により、新規バイオマーカーの発見と臨床検査への実用化がいっそう加速されるものと期待されます。

日立ハイテクは、株式会社日立製作所(執行役社長:古川 一夫)と共同で、2005年4月にタンパク質解析用液体クロマトグラフ質量分析計を開発しました。液体クロマトグラフ質量分析計「NanoFrontier LD」は、独自のリニアイオントラップ-TOF方式により従来の機器より一桁上の高感度検出が可能で、タンパク質解析に求められる高感度と高い質量分析精度を実現しています。

今回の共同研究において、日立ハイテクは、血液検体の前処理技術の開発、測定の自動化や臨床検査用の汎用型質量分析機の開発などに取り組んでいきます。
国立がんセンターは、当社の「NanoFrontier LD」を中心としたプロテオーム解析システムを用い、疾病ごとの実検体によるがんのバイオマーカー探索に取り組みます。
将来的ながんの早期スクリーニング検査(*2)には、検出可能ながんの種類をより多く増やすことが不可欠であり、本共同研究により、そのための要素技術の確立を目指しています。また、がんだけでなく生活習慣病等の早期発見も視野に入れており、医療現場での有用性はさらに高まるものと考えています。

従来、日立ハイテク単独では特定疾病(がん)の検体を集めることは困難であり、臨床応用にアプローチすることが困難でした。今回の共同研究契約の締結により当社は強力なパートナーを得たことになり、プロテオーム解析による血液診断法に向けた前処理技術の開発、および分析機器の開発を積極的に推進していきます。

*1
バイオマーカーとは、尿や血液中に含まれる生体由来の化学物質で、疾患の罹患の有無、疾患の状態や変化、治癒の程度を特徴づける指標(マーカー)です。代表的なバイオマーカーとしては、血糖値やコレステロール値、肝機能の指標となる血清中のGPT、GOTなどが挙げられます。
*2
スクリーニング検査とは、症状がまだ現れない段階で、疾患があるかどうかの可能性を調べるもの。スクリーニング検査を行うことによって、各種疾患やがんの早期発見が可能となります。

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