-小さくても高性能な走査電子顕微鏡-
2007年7月17日
株式会社日立ハイテクノロジーズ(執行役社長:大林 秀仁/以下、日立ハイテク)は、装置本体の幅を55cmと従来比20%以上削減(*1)し、設置場所の自由度を拡げた新型の走査電子顕微鏡(SEM)「SU-1500形」を開発し、8月29日より発売します。
走査電子顕微鏡は物質表面の微細構造を観察する装置として、ナノテクノロジー分野やバイオテクノロジー分野をはじめとする、あらゆる産業分野の研究・開発から品質管理など、多方面でその有用性が認められ、活用されています。特に、半導体デバイスの実装部品に代表される絶縁物試料や、再生医療で注目される各種培養細胞などの含水試料を前処理不要で観察できる低真空観察法(6~270Pa)を実用化した日立Natural SEM(以下、N-SEM)シリーズは、世界中のお客様にご利用、ご好評をいただいています。
今回開発した「SU-1500形」は、熱電子銃形N-SEMの新シリーズとして、装置本体の幅を55cmとし、従来機種より小型化(装置本体の幅を20%以上削減)(*1)を図りながらも、ハイエンド機と同等(*2)の3.0nmの像分解能性能(*3)を持ち合わせた「小さくても高性能」なN-SEMです。
試料室および試料ステージは、最大152mm径試料を搭載可能とし、最大試料厚さ60mmの観察(*4)・EDX(*5)分析を可能としました。EDX検出器は左右対向配置で2機装着可能な試料室とし、一方向では影が出てしまう凹凸のある試料のEDX元素マッピングにおいて、二方向からX線検出できるため、影を軽減することが可能です。また、低真空モードで二次電子像観察を可能にしたESED-Ⅱ検出器(*6)を搭載可能な試料室としました。
操作機能面では、2004年7月の販売以来、受注実績500台以上の「S-3400N形」の機能を踏襲。「S-3400N形」と同様に、モニター全面に高精細ライブ像を表示できる全面表示機能や、最大5,120×3,840画素の画像データ保存など高級機能を標準搭載し、多彩な画像情報を取得でき、観察試料の多角的な評価が可能です。また、使用頻度の少ない方でも気軽に使用いただけるように、操作手順をガイドする「簡易ガイド」を新規開発し、標準搭載しました。
本体標準価格は1,900万円。出荷開始は2007年10月の予定で、年間150台の販売を見込んでいます。日立ハイテクは、8月29日から幕張メッセで開催される「2007分析展」に「SU-1500形」の実機を展示する予定です。
二次電子像分解能 | 3.0nm(高真空モード、加速電圧:30kV) | |
---|---|---|
反射電子像分解能 | 4.0nm(低真空モード、真空度:6Pa) | |
加速電圧 | 0.3~30kV | |
倍率 | ×5~×300,000 | |
試料ステージ | X | 0~80mm |
Y | 0~40mm | |
Z | 5~50mm | |
T | -20°~90° | |
R | 360° | |
最大搭載可能試料サイズ | 152mm径 | |
最大観察可能範囲 | 126mm径(XYR併用) | |
最大試料厚さ | 60mm(WD=15mm) |
新型走査電子顕微鏡「SU-1500形」
「SU-1500」製品詳細ページ
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