-高コストパフォーマンスで、気軽に使えるコンパクトな電子顕微鏡-
2007年8月23日
株式会社日立ハイテクノロジーズ(執行役社長:大林 秀仁/以下、日立ハイテク)は、床置きながら、装置本体の幅を55cmとコンパクト化し、設置場所の自由度を広げた新型の走査電子顕微鏡(SEM)「TD-1000形」を開発し、8月29日より国内の特約店ルートを通じて発売します。
走査電子顕微鏡は物質表面の微細構造を観察する装置として、ナノテクノロジー分野やバイオテクノロジー分野をはじめとする、あらゆる産業分野の研究・開発から品質管理など、多方面でその有用性が認められ、活用されています。特に、半導体デバイスの実装部品に代表される絶縁物試料や、再生医療で注目される各種培養細胞などの含水試料を前処理不要で観察できる低真空観察法(6~270Pa)を実用化した日立Natural SEM(以下、N-SEM)シリーズは、世界中のお客様にご利用、ご好評をいただいています。
今回開発した「TD-1000形」は、2005年4月の発売以来450台以上を出荷した小型卓上顕微鏡「TM-1000」(Miniscope)の上位バージョンとなる気軽に使えるSEMで、床置きながら装置本体の幅を55cmとし、設置場所の自由度を広げ、最高加速電圧を20kV、4.5nmの像分解能性能(*1)を持つコンパクトなN-SEMです。
試料室および試料ステージは、最大153mm径試料を搭載可能とし、最大試料厚さ60mmの観察(*2)・EDX(*3)分析を可能としました。
操作機能面では、2004年7月の販売以来、受注実績500台以上の走査電子顕微鏡「S-3400N形」の機能を踏襲。「S-3400N形」と同様に、モニター全面に高精細ライブ像を表示できる全面表示機能や、最大5,120×3,840画素の画像データ保存など高級機能を標準搭載し、多彩な画像情報を取得でき、観察試料の多角的な評価が可能です。また、使用頻度の少ない方でも気軽に使用いただけるように、操作手順をガイドする「操作ガイド」を新規開発し、標準搭載しました。
本体標準価格は995万円。販売は特約店を通じて行い、特約店のネットワークを活用することで、SEMが導入されていない市場にも広く浸透させることを目指しています。出荷開始は2007年10月の予定で、年間60台の販売を見込んでいます。
日立ハイテクは、8月29日から幕張メッセで開催される「2007分析展」において、「TD-1000形」をパネル展示する予定です。
走査電子顕微鏡「TD-1000形」
二次電子像分解能 | 4.5nm(高真空モード、加速電圧:20kV) | |
---|---|---|
反射電子像分解能 | 5.5nm(低真空モード、真空度:6Pa、加速電圧:20kV) | |
加速電圧 | 0.3~20kV | |
倍率 | ×5~×300,000 | |
試料ステージ | X | 0~80mm |
Y | 0~40mm | |
Z | 5~50mm | |
T | -20°~90° | |
R | 360° | |
最大搭載可能試料サイズ | 153mm径 | |
最大観察可能範囲 | 126mm径(XYR併用) | |
最大試料厚さ | 60mm(WD=15mm) |
お問い合わせ頂く前に、当社「個人情報保護について」をお読み頂き、記載されている内容に関してご同意いただく必要があります。
当社「個人情報保護について」をよくお読みいただき、ご同意いただける場合のみ、お問い合わせください。