-「nanoDUE'T®」(NB5000形)、高速試料作成と高精度加工終点検出を両立-
2007年10月22日
株式会社日立ハイテクノロジーズ(執行役社長:大林 秀仁/以下、日立ハイテク)は、超高速の集束イオンビーム加工観察装置(FIB)(*1)と高分解能の電界放出形走査電子顕微鏡(FE-SEM)(*2)を一体化した、新型の集束イオン・電子ビーム加工観察装置(FIB-SEM)「nanoDUE'T®」(NB5000形)を開発し、12月5日より発売を開始します。
半導体デバイスの微細化、高機能材料のナノ構造制御に伴い、エレクトロニクス・材料・エネルギーなどの幅広い分野において、特定微小部の解析がますます重要視されています。特に、透過電子顕微鏡(TEM)(*3)や走査透過電子顕微鏡(STEM)(*4)の利用が欠かせない最先端デバイスの解析において、集束したイオンビームで試料を照射し加工するFIBは、高精度の加工・観察に必須な装置となっています。最近では、大面積の加工、固い材料の加工、多検体の処理が求められており、さらに、SEMによる正確な加工終点検出へのニーズも高まっています。
日立ハイテクでは、高い加工性能を備えたFIBと、高い分解能を有するSEMをそれぞれ製品化していますが、今回、超高速加工FIBと高分解能FE-SEMを一体化した高性能FIB-SEM、「nanoDUE'T®」(NB5000形)を開発しました。
FIB部は、低球面収差光学系により、ビーム径1μmの実用ビームにて50nAのビーム電流を達成し、大面積の加工、固い材料の加工、多検体の処理も容易に行えます。TEM/STEMの試料作製に欠かせない特許技術として高く評価されているマイクロサンプリングは、従来からのスムーズなプローブ動作はそのままに、新たに吸収電流像表示機能(*5)を実現。欠陥位置の特定に威力を発揮します。
SEM部は、定評ある日立の高性能カラムデザインを踏襲し、1.0nmの高分解能を実現しています。FIB加工後の試料の高分解能観察はもとより、FIB加工時の高精度加工終点検出も可能となりました。低誘電率(Low-k)材料等、電子線照射に弱い試料での加工終点検出には、新たにSection-view機能を搭載しました。本機能では、FIBリアルタイム加工モニタ画像で断面の概略形状を可視化することができます。また、サイドエントリーステージ(*5)の併設により、日立TEM/STEMとの間で試料ホルダを共有することができます。これにより、ピンセットを用いた試料の受け渡しが不要となり、TEM/STEM解析の効率向上に寄与します。
日立ハイテクは「nanoDUE'T®」(NB5000形)の開発により、高精度な加工・観察が求められている半導体デバイス、電子材料分野などに向けて、積極的な営業展開を図っていきます。本装置の国内本体標準価格は2億2,000万円。2008年3月から出荷開始予定で、年間20台の販売を見込んでいます。
「nanoDUE'T®」(NB5000形)
FIB | 加速電圧 | 1~40kV |
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最大ビーム電流 | 50nA以上 | |
SIM像分解能 | 5nm | |
倍率(ディスプレイ上) | ×60~×250,000 | |
イオン源 | Ga 液体金属イオン源 | |
レンズ | 低球面収差二段静電レンズ | |
SEM | 加速電圧 | 0.5~30kV |
二次電子像分解能 | 1.0nm(15kV) @ビームクロスポイント 2.1nm(1kV) @最適作業距離 |
|
倍率 | ×250~×800,000(高倍率モード) ×70~×2,000(低倍率モード) |
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電子源 | ZrO/W ショットキーエミッション形 | |
レンズ | 3段電磁レンズ縮小方式 | |
可動範囲 | X:50mm(30mm)(*6) Y:50mm(30mm)(*6) Z:22mm T:-1.5°~58.3° R:360° |
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試料サイズ | 50mm径(30mm径)(*6) | |
膜種 | タングステン/カーボン(切替式) |
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