JCSS(*)に基づく、国家標準へのトレーサビリティを確保したナノ領域の寸法標準
2007年12月7日
株式会社日立ハイテクノロジーズ(執行役社長:大林 秀仁/以下、日立ハイテク)は、株式会社日立製作所(執行役社長:古川 一夫/以下、日立)と共同で、ナノ領域の『ものさし』となる100nm(1nm:100万分の1mm)ピッチの「標準マイクロスケール HJ-2000」を開発しました。
「標準マイクロスケール」は、独立行政法人産業技術総合研究所(理事長:吉川 弘之)と財団法人日本品質保証機構(理事長:森本 修/以下、JQA)が共同開発した193nm深紫外光回折装置を用いて校正されています。JQAで校正された「標準マイクロスケール」には、ISO/IEC17025に基づいたJCSS校正証明書が添付され、国家標準へのトレーサビリティが保証されています。
年々微細化が進む最先端の半導体デバイス製造プロセスでは、すでに45nm(MPU/ASICハーフピッチ)レベルの量産が開始され、更なるフォトリソグラフィー技術の進展により32nmレベルの微細化が次なるターゲットになってきました。このようなデバイスの微細化に対応して、半導体デバイスのパターン寸法を計測・管理する測長SEM(半導体測長用走査型電子顕微鏡)にも、より高い計測精度が要求されています。この測長SEMの倍率校正の基準として、従来、240nmピッチの「標準マイクロスケール」が用いられていますが、半導体デバイスの微細化に伴い、「標準マイクロスケール」にも微細化が求められるようになりました。
これに対応するため、日立ハイテクと日立は共同で、従来のピッチ寸法の半分以下となる100nmピッチの「標準マイクロスケール」を開発しました。今回開発した「標準マイクロスケール」は、電子ビーム一括図形照射法を用いてシリコン(Si)基板に格子パターンを形成しています。格子パターンのピッチ寸法は100nm±0.5nmで、一つのSiチップ上にX、Y両方向の格子パターンが形成されています。さらに100nmピッチの「標準マイクロスケール」では、格子パターンを従来の一様な回折格子パターンに替わり、新たに単位格子セルと位置座標を特定できるアドレッシングパターンの対を縦横一定の周期で配列させたパターン構成としました。このアドレッシングパターンを目標ガイドとした単位格子セルの自動位置決めが実現され、測長SEMの測長レシピによる自動計測が可能になりました。
「標準マイクロスケール」を使うことにより、測長SEM単体の高精度な倍率校正はもとより、複数の測長SEMの機差校正も確実に行うことが可能となります。この「標準マイクロスケール」によって半導体デバイス製造ラインにおける寸法管理がよりいっそう高精度になることが期待されます。
標準マイクロスケール HJ-2000
格子パターン
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