低真空機能付き高分解能走査電子顕微鏡
2007年12月13日
株式会社日立ハイテクノロジーズ(執行役社長:大林 秀仁/以下、日立ハイテク)は、ショットキー電子銃による高分解能観察と低真空観察機能を両立した新型の走査電子顕微鏡「SU6600形」を開発し、12月13日より発売します。
走査電子顕微鏡(SEM)は、物質表面の微細構造を観察する装置として、エレクトロニクスや各種機能性材料、バイオテクノロジーの分野をはじめ、あらゆる産業分野の研究・開発から品質管理に至るまで多方面でその有用性が認められ、活用されています。また、試料室内の圧力を高くして残留気体分子と電子の衝突により発生したイオンが試料表面の帯電を中和することにより、絶縁物や含水試料が前処理不要で観察できる低真空観察法を実用化した日立Natural SEM(以下、N-SEM)シリーズは既に数多くのお客様にご利用いただき、ご好評を得ています。
一方、EDX(*1)、WDX(*2)、EBSP(*3)、CL(*4)など電子線を応用した分析装置をSEMに搭載し分析したいというニーズも増えており、そのためには、大電流で安定した電子ビームが必要となっています。
今回開発した「SU6600形」は、高輝度、高安定なショットキー電子銃を装備し、多段差動排気システムにより試料室を10~300Paの低真空状態に保ち、無蒸着試料の観察、分析が可能なSEMです(高真空(~10-4Pa)にも自在に切り替え可能です)。
分析ニーズに対応するために従来機種「S-4300SE/N形」よりも照射ビーム電流をアップさせるとともに各種分析装置(EDX/WDX/EBSP/CL等)が装着可能な試料室を開発しました。
本体標準価格は5,900万円(税別)。出荷開始は2008年3月の予定で、年間60台の販売を見込んでいます。
二次電子像分解能 | 1.2nm (30kV) 3.0nm (1kV) |
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反射電子像分解能 | 3.5nm (30kV、低真空:10Pa) | |
倍率 | ×10~×600,000 | |
プローブ電流 | 1pA~200nA | |
試料ステージ | X | 0~110mm |
Y | 0~110mm | |
Z | 4~40mm | |
T | -5°~70° | |
R | 360° | |
最大試料サイズ | 150mm径×40mm(厚さ) | |
電源 | 単相AC 100V 4kVA | |
搭載可能付属装置(オプション) | EDX、WDX、EBSP、CL、クライオステージ等 |
低真空分析走査電子顕微鏡「SU6600形」
「SU6600」製品詳細ページ
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