超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡
2008年7月23日
株式会社日立ハイテクノロジーズ(執行役社長:大林 秀仁/以下、日立ハイテク)は、新たに開発したTop検出器(*1)を搭載した新型の電界放出形走査電子顕微鏡(SEM)「SU8000形」を開発し、8月1日から発売します。
走査電子顕微鏡は微細化が進む半導体デバイスや、最先端ナノテクノロジー材料の表面構造を観察するツールとして活用されています。このような最先端試料の極表面構造の観察や、導電性に乏しい材料の観察では、低加速電圧による高分解能観察が必要です。このため高輝度でエネルギー幅の小さい冷陰極電界放出形の電子銃(エネルギー幅:0.2-0.3eV)を搭載し、インレンズ方式またはシュノーケルレンズ方式(セミインレンズ方式)の対物レンズを採用したSEMによる低加速高分解能観察が重要になっています。
当社のSEMは世界最高分解能(*2)(0.4nm(30kV))を誇るインレンズ方式の「S-5500形」をはじめ、ウエハサイズの大きな試料(最大:200mm径)(オプション)でもインレンズ並みの高機能・高分解能観察を実現したシュノーケルレンズ方式の「S-4800形」が、操作性の高い形状観察・分析装置として、半導体の超微細な評価・分析をはじめ、最先端ナノテクノロジー材料やバイオ・医療等の研究開発に貢献しています。
今回開発した「SU8000形」は、シュノーケルレンズ方式の対物レンズに「S-5500形」で好評のUpper反射電子検出器をさらに進化させたTop検出器を標準搭載。従来のUpper検出器と組み合わせて、試料から発生している情報(二次電子、低角度散乱反射電子、高角度散乱反射電子など)を観察目的にあわせて最適なコントラストで可視化するための新しい信号検出系を開発しました。
このTop検出器は、低加速電圧で高角度散乱反射電子を検出することが可能なため、試料最表面の組成コントラストや回折コントラストを取得できます。さらに、極低加速電圧での高分解能観察が可能なリターディング時には、Top検出器で二次電子情報が取得可能で、100Vといった極低加速電圧での試料極表面の情報を可視化します。Upper検出器では、従来から好評いただいている日立特許のExB技術を使った高効率のSE信号検出方法により、二次電子の高分解能観察だけでなく、二次電子情報と反射電子情報の信号検出比率を可変する機能により帯電現象を抑制した観察も可能です。
また、操作モニターには24.1型ワイドモニター(1920×1200画素)を採用。従来の19型モニターに比べ約1.8倍の表示画素で、SEM画像を大きな画面(1280×960画素)で表示しながら、調整パネルやキャプチャー画像を重ねずに表示し、快適な操作感をご提供します。
本体標準価格は7,300万円から(税別)。日立ハイテクは、8月3日から米国アルバカーキにて開催される「M&M 2008」(Microscopy and Microanalysis 2008)に実機展示を予定しています。また、9月3日から千葉幕張メッセ国際展示場で開催される「分析展2008」の新技術説明会にて製品紹介を予定しています。
出荷開始は2008年9月の予定で、年間200台の販売を見込んでいます。
Top検出器により、低加速電圧で試料最表面の組成、回折コントラストが取得可能。
Upper検出器、Lower検出器とあわせて、試料から発生する信号(二次電子、低角度散乱反射電子、高角度散乱反射電子)のコントラストを的確に捉えます。
リターディング機能を標準搭載し、従来のUpper検出器による二次電子+反射電子情報のコントラストだけでなく、Top検出器による極表面情報を持った二次電子コントラストを取得できます。
試料表面の帯電影響に敏感な二次電子信号がUpper検出器に到達しないようLA変換電極で抑制することにより、観察目的に合わせた最適なコントラストに調整できます。
操作モニターに24.1型ワイドモニター(1920×1200画素)を採用。従来の19型モニターに比べ約1.8倍の表示画素で、SEM画像を大きな画面(1280×960画素)で表示しながら、調整パネルやキャプチャー画像を重ねずに表示します。
超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡「SU8000形」
超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡「SU8000形」 製品詳細ページ
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