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Hitachi

株式会社 日立ハイテク

加工性能を高めた新型の集束イオンビーム加工観察装置を開発

高速加工と低ダメージ試料作製を実現する「FB2200形」

2009年11月5日

株式会社日立ハイテクノロジーズ(執行役社長:大林 秀仁/以下、日立ハイテク)は、加工性能を高めた新型の集束イオンビーム加工観察装置(FIB)*「FB2200形」を開発し、このたび発売を開始します。

高機能・先端材料のナノ構造制御、半導体デバイスの微細化に伴い、エレクトロニクス・材料・エネルギーなど幅広い分野において、特定微小部の解析がますます重要視されています。特に、透過電子顕微鏡(TEM)や走査透過電子顕微鏡(STEM)の利用が欠かせない最先端デバイスの解析において、集束したイオンビームで試料を照射し加工するFIBは、高精度の加工・観察に必須な装置となっています。また、最近では大面積の加工や硬い材料の加工、多検体を高速で処理することが求められています。

日立ハイテクは、2002年に高い加工性能を備えたFIB「FB-2100形」を製品化し、発売してきましたが、この度、ビーム大電流化による加工速度向上と低加速化による低ダメージ加工を実現するFIB「FB2200形」を開発しました。
FB2200形」の主な特長は下記のとおりです。

  1. イオンビームの大電流化(FB-2100形:30nA→FB2200形:60nA以上)により、従来比2倍以上の高速加工と数100µmレベルの大面積加工を実現
  2. 低加速イオンビーム(最低加速電圧2kV)による低ダメージ試料作製
  3. マイクロサンプリングによるピンポイント薄膜試料作製
    ・10µmレベルの微小サンプルの摘出、固定、薄膜化がすべてFIB装置内で可能
  4. 日立SEM、TEM、STEMとのホルダーリンケージ
    ・試料の付替えをせずに、FIBによる加工と電子顕微鏡(SEM/TEM/STEM)による観察が可能

日立ハイテクは「FB2200形」の開発により、高精度な加工・観察が求められている先端材料、電子材料、半導体デバイス分野などに向けて、積極的な営業展開を図っていきます。
本装置の国内本体標準価格は9,800万円。2009年11月から出荷開始の予定で、年間25台の販売を見込んでいます。

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FIB: Focused Ion Beam System

「FB2200形」の主な仕様

「FB2200形」の主な仕様
加速電圧2~40 kV
最大ビーム電流60nA以上
最大ビーム電流密度50A/cm2以上
SIM像分解能6nm以下
倍率(ディスプレイ上)60 ~ 300,000倍
イオン源Ga液体金属イオン源
レンズ低球面収差二段静電レンズ
大きさ(本体)820×880×1,600 mm(幅×奥行×高さ)
質量(本体)約480kg

集束イオンビーム加工観察装置「FB2200形」
集束イオンビーム加工観察装置「FB2200形」

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