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Hitachi

株式会社 日立ハイテク

遺伝子検査の自動化プラットフォーム技術を開発

―煩雑な遺伝子検査の省力化と迅速化に貢献―

2010年2月1日

株式会社日立ハイテクノロジーズ(執行役社長:大林 秀仁/以下、日立ハイテク)は、このたび遺伝子検査の自動化プラットフォーム技術を開発しました。

遺伝子検査の世界市場規模(装置と試薬を含む当社推定値)は2009年で40億ドル、年率11%で急成長しており、2012年には54億ドル強で臨床検査市場全体の10%を占めると予想されています。特にウイルス性肝炎や性感染症、インフルエンザ等の感染症の遺伝子検査は国内でも急速に普及し始めています。ヒトのサンプルより抽出された核酸を用い、病原体の検出や同定を行う遺伝子検査は、従来の検査法(主にタンパク質を標的とした免疫学的な検査法)と比較して高感度な検査が可能ですが、サンプルの前処理や試薬の溶解・混合など煩雑で時間のかかる手作業を伴うため、効率的な検査業務の妨げとなっています。遺伝子検査装置には、これらの煩雑な検査工程を自動化し、検査業務を省力化すること、更に検査精度を向上することが求められております。

この様な課題に対応するために、日立ハイテクでは煩雑な検査工程を前処理も含めて自動化するプラットフォーム技術を開発しました。このプラットフォーム技術のコンセプトは、様々な遺伝子増幅法のプロトコールに対応することと、汎用の生化学自動分析装置と同様に、ランダムアクセス、及び検体・試薬の連続ローディング機能により多項目同時分析を実現し、自動化による高精度な検査を提供することです。これらランダムアクセス、及び連続ローディングは今後の遺伝子検査の主流となる機能であり、検査業務の省力化と迅速化に貢献するものと期待されます。

開発したプラットフォーム技術のコンセプトは以下の通りです。

  1. 様々な増幅法に対応した汎用のプラットフォーム
    従来の遺伝子検査は増幅法により専用の装置が必要でした。このプラットフォーム技術は、様々な増幅法のプロトコールに対応し、高い汎用性を有しています。
  2. 前処理~増幅・検出工程の全自動化
    抽出検体を投入後、反応液の前処理工程~増幅・検出工程までの全工程を自動化しました。
    高い信頼性を有する自動化技術により、高精度な動作を実現しています。
  3. ランダムアクセス機能
    従来の装置ではバッチ処理により、検査項目が限定されておりました。この装置ではランダムアクセス機能による多項目同時分析により、個々の検体毎に異なる項目の測定を可能としました。複数の色素が同時に測定できるカローセル型検出器により、これを実現しています。
  4. 連続ローディング機能
    測定動作中でも検体・試薬及び消耗品の架設、廃棄物の回収を可能としました。又、全ての操作が装置前面から行える機能的なレイアウトを採用しています。

日立ハイテクは生化学自動分析装置で培った技術を用い、これらの機能を搭載するプラットフォーム技術を他社に先駆けて開発し、今回試作機が完成いたしました。2月3日(水)より米国/San Franciscoに於いて開催されるMolecular Medicine Tri-Conference 2010のポスターセッションにて発表する予定です。

今回開発したプラットフォーム技術を応用し、先ず研究用途での2011年度の製品化を目標としております。

自動化プラットフォームの完成イメージ
自動化プラットフォームの完成イメージ

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担当: 杉山 (e-mail: sugiyama-masahide@nst.hitachi-hitec.com)
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社長室 広報・IRグループ
担当:丸山、松本 TEL:03-3504-3258
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