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Hitachi

株式会社 日立ハイテク

新型の走査電子顕微鏡「SU8040形」を発売

―高倍率観察時でも滑らかな操作が可能に―

2010年7月30日

株式会社日立ハイテクノロジーズ(執行役社長:大林 秀仁/以下、日立ハイテク)は、新たに開発したレグルスステージ(呼称:レグルス(Regulus: REGULated Ultra Stable))を搭載した新型の電界放出形走査電子顕微鏡(FE-SEM*1)「SU8040形」を8月1日から発売します。

走査電子顕微鏡は微細化が進む半導体デバイスや、最先端ナノテクノロジー材料の表面構造を観察するツールとして活用されております。これらのナノメートル(nm *2)オーダーの微細構造の観察には数十万倍という高倍率での観察が必要となっています。そのようなナノメートルオーダーの極微小構造観察時においても、ユーザーの意のままにステージを移動させることができる機能は、ユーザーの負担を軽減しスループットを向上することにつながるため、大きなニーズがありました。

このニーズを受けて、今回開発した「SU8040形」では高倍率観察時でも滑らかな操作性を実現したレグルスステージを新規開発・搭載いたしました。レグルスステージでは、信頼性の高い従来の駆動モーターを採用したまま、モーターからの動力伝達性を向上させることで、優れた操作性を実現しています。これにより数十万倍という高倍率観察時でもスムーズな視野移動が可能となり、ユーザーの負担を軽減し、スループットよく観察を進められるようになりました。
またその優れたステージ性能を活かし、セルカウントアシストソフトウェアにも対応いたしました(オプション)。このソフトはDRAM・SRAM等の繰り返しパターンの形状を画像認識し、補正を行ないながらセル数のカウントをアシストするもので、ユーザーの負担を軽減、スループットの向上等、観察視野探しに貢献します。

走査電子顕微鏡としての基本性能においては、従来機「SU8000形」で構築した優れた基本性能を踏襲し、さらに極低加速電圧での分解能を向上させました。電子光学系の最適化により、照射電圧1.0kVでの分解能を1.4nm(従来機種)から1.3nmに向上しております。さらに日立ハイテク独自の二次電子・反射電子信号可変機能により、像障害を引き起こすエッジコントラストや帯電コントラストを抑制し、試料最表面を超高分解能で観察することが可能です。

本体標準価格は8,400万円から(税別)。日立ハイテクは、8月1日から米国ポートランドにて開催される「M&M 2010」(Microscopy and Microanalysis 2010)に実機展示を予定しています。また、9月1日から千葉幕張メッセ国際展示場で開催される「分析展2010」でもパネル展示、ブース内セミナーでの製品紹介を予定しています。
出荷開始は2010年10月の予定で、年間100台の販売を見込んでいます。なお、「SU8040形」は従来機「SU8000形」の上位機種と位置づけているため、併売を予定しております。

*1
FE-SEM:Field Emission-Scanning Electron Microscope
*2
nm:10億分の1メートル

超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡SU8040形

主な仕様

主な仕様
二次電子分解能 1.0nm (加速電圧15kV, WD=4mm)(*3)
1.3nm (照射電圧1kV, WD=1.5mm)(*3)
照射電圧 0.1~30kV
倍率 100x~2,000,000x(*4)
ステージ制御 5軸モーター駆動
ステージ可動範囲 X:0~110mm
Y:0~80mm
Z:-1.5~40mm
T:-5~70°
R:360°
最大試料サイズ 150mm径(最大)
再現性 +/-0.5um以下
*3
自社試料のSEM像から最小の粒子間距離を測定
*4
345mm×259mm(1,280×960画素表示)を表示サイズとして倍率を規定

主な特長

  1. 高倍率下でもストレスのない操作性を実現したレグルスステージ
  2. 極低照射電圧での超高分解能観察(1.3nm/1kV)
  3. 3つの二次電子検出器とリターディング機能の組合せによる多彩な信号検出
  4. セルカウントアシストソフトウェア(オプション)
  5. 二次電子・反射電子信号可変機能による帯電抑制機能

電界放出形走査電子顕微鏡「SU8040形」
電界放出形走査電子顕微鏡「SU8040形」

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