―収差補正による高分解能観察・高感度分析を幅広いユーザーへ提供―
2012年5月10日
株式会社日立ハイテクノロジーズ(執行役社長:久田眞佐男/以下、日立ハイテク)は、自社開発の球面収差補正器を搭載した、走査透過電子顕微鏡「HD-2700形」を、5月10日より発売します。収差補正器の自動収差補正機能により、操作性を向上し補正時間の大幅な短縮を実現しました。
近年、ナノ先端材料や半導体デバイスの研究開発から品質管理までの幅広い分野で、電子顕微鏡の空間分解能と分析性能の向上が求められ、収差補正へのニーズが一層高まっています。日立ハイテクでは、球面収差補正機能を搭載した電子顕微鏡を製品化してきましたが、最近では、収差補正による高性能と共に、高いスループットが求められています。
今回、日立ハイテクでは「よりシンプルな操作で、原子レベルにおける迅速な高分解能観察・高感度分析を実現する」というコンセプトのもと、球面収差補正器を自社開発し、走査透過電子顕微鏡「HD-2700形」に搭載しました。
自社開発した球面収差補正器では、自動収差補正機能を搭載することで、オペレータスキルによらず装置本来の性能を容易に引き出すことができ、自社製ソフトウェアによって操作環境を統一することで、高い操作性を維持できるようになりました。さらにこの機能では、補正時間を大幅に短縮し(高次収差補正の場合、自社比1/5)、スループットの大幅な改善を実現しています。一方、自動収差補正機能を用いない従来のマニュアル操作による収差補正を行うことも可能です。
また今回、自社開発の球面収差補正器を「HD-2700形」に搭載するとともに、長年実績のあるコールドFE電子銃と高分解能レンズとを組み合わせ、本体標準搭載とすることで、高分解能像観察だけなく、EELS等の各種分析においてもクオリティの高いデータ取得に貢献します。
日立走査透過電子顕微鏡HDシリーズの特長である、多彩な評価解析機能はそのままに、自社開発の収差補正機能によりさらに優れた操作性を実現し、幅広いユーザーに、収差補正による高分解能観察・高感度分析をご提供します。
年間販売台数は初年度15台を見込んでおり、出荷開始は2012年後半を予定しています。
日立ハイテクは、5月14日(月)から5月16日(水)まで、つくば国際会議場にて開催される、「日本顕微鏡学会第68回学術講演会」の商業展示において、本機のパネル展示を行う予定です。
日立球面収差補正 走査透過電子顕微鏡「HD-2700形」
電子源 | コールドFE電子銃 |
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像分解能 | 0.136nm(HAADF-STEM像)、0.105nm(FFT像) |
倍率 | ×100 ~×10,000,000 |
最高加速電圧 | 200kV |
収差補正器 | 多極子/トランスファーレンズ方式(日立製) |
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