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Hitachi

株式会社 日立ハイテク

次世代複合型プローブ顕微鏡「AFM5400L」を発売

―白色干渉縞測定機能搭載により、高分解能観察とデータ信頼性向上を実現―

2013年2月22日

株式会社日立ハイテクサイエンス(取締役社長:池田 俊幸/以下、日立ハイテクサイエンス)は、2月22日より、シームレス観察・クロスチェック・多点測定を実現した、白色干渉縞測定機能搭載の走査型プローブ顕微鏡複合機「AFM5400L」を発売します。

日立ハイテクサイエンスは、計測分析装置の製造販売を行っており、1986年に日本で初めて走査型プローブ顕微鏡(SPM: Scanning Probe Microscope)による原子像観察に成功し、1987年には日本初の走査型トンネル顕微鏡を発売するなど、SPMの開発・販売に30年近く携わってきたリーディングカンパニーです。

SPMは、先端が数nmの細く尖った針を用いて試料表面の形状観察や物性分析を行う顕微鏡で、試料の前処理が不要な上、大気中、液中でも観察・計測ができ、高機能材料、半導体、記録メディア、バイオといった広い分野で活用されています。そして、同じく試料表面の形状測定を行う装置には白色干渉縞測定機器があり、光の干渉縞明暗情報をアルゴリズム解析して、試料表面の形状測定を短時間かつ高分解能で行なうことができます。近年、電子デバイスの微細化・高集積化に伴い、従来の計測方法では微小領域の形状や物性の解析が困難になりつつありますが、これらの問題に応える計測ツールとして、サブnmオーダーの計測精度を有するSPMや白色干渉縞測定器が幅広く用いられています。すでにシリコンウェーハやハードディスクのラフネス解析や有機EL・薄膜・ディスプレイ用のガラスや機能性フィルムの表面形状解析などでは標準的なツールとなっています。

しかし、従来のSPMは最高レベルの面内分解能を有するにもかかわらず、観察視野範囲が狭く測定時間を要するために試料全体像を把握することに不向きであり、逆に白色干渉縞測定器は広視野範囲を2~3秒という短時間で測定しますが、面内水平分解能が低いため、局所的な高分解能観察に不向きでした。そのため、従来のユーザーの多くは二つの装置を別々に利用して測定しなくてはならず、広範から狭範囲までのシームレスな測定ができない状況でした。

今回、日立ハイテクサイエンスが販売する「AFM5400L」は、SPMと白色干渉縞測定器の機能を複合化させることで、1mm程度の広視野範囲から数nmレベルの狭視野範囲までを、シームレスで高さ方向分解能0.01nmという高分解能での測定を実現します。さらに、両装置の異なる原理の測定機能を複合化させることによって同一測定ポイントのクロスチェックを可能にし、測定データの信頼性向上を実現しました。また、電動ステージに8インチ試料台を搭載することによって、大型試料の非破壊測定や、複数の小さな試料を設置しての多サンプル自動測定を可能にしました。

日立ハイテクサイエンスは、潜在的な顧客ニーズに応えた、シームレス観察・クロスチェック・多点測定が簡単に行えるSPMとして「AFM5400L」を販売し、装置更新のユーザーに対する拡販を展開すると同時に、さらなる市場拡大に向け積極的に取り組んでまいります。

複合型走査型プローブ顕微鏡「AFM5400L」
複合型走査型プローブ顕微鏡「AFM5400L」

主な特長

1.SPM・白色干渉縞測定器・マイクロスコープの複合機

SPMの高分解能測定能力、白色干渉縞測定器の高スループット能力、マイクロスコープの簡易性、それぞれの機器の特長である基本性能をそのままに、従来の観察機器に無い広範囲から狭範囲までのシームレス観察を実現。

  1. 低倍率領域のマイクロスコープ、白色干渉縞測定器、高倍率領域のSPMまでの観察を連動させることで、従来のSPMにないスムーズな測定位置あわせが可能。
  2. 複合機ならではの、異なる原理の測定機器での同一ポイント測定で、従来困難であったクロスチェックによる測定データの信頼性を向上。
  3. 白色干渉縞測定機能で、透明体の非破壊層断面解析を実現。

2.大型試料に対応可能な電動制御試料台

8インチサイズまで搭載できる大型試料台(6インチ全面観察に対応)を電動プログラム制御することで、大型試料の非破壊観察・小型試料の複数ポイント自動多点測定を実現。

3.カンチレバー自動交換機能、レーザー光軸調整アシスト機能の搭載

試料を設置したままカンチレバーの自動交換を行い、レーザー光軸の調整をアシストする機能により操作性を向上。

製品仕様

製品仕様
  SPM機能 白色干渉縞機能 マイクロスコープ機能
方式 光てこ方式 光干渉法(*1) 1000万画素CMOS
観察範囲 最大90μm×90μm 最大947μm×710μm(オプション選択) 最大700μm×539μm(ズーム機能搭載)
高さ方向分解能 0.05nm 0.01nm
電動ステージ 8インチ試料台 最大ストローク
特徴 形状測定機能、各種物性測定機能(オプション) 形状測定機能、層断面解析機能(オプション) CCD観察機能
*1
白色光源の光は、内部光学系を経て干渉縞が形成されます。白色干渉縞測定器は、CCDカメラに取り込まれた干渉縞明暗情報を、独自のアルゴリズムに基づき高さ情報に変換します。

製品価格(予定)(税別、設置台は含みません)

AFM5400L(SPM複合仕様):2,900万円
AFM5400L(SPM単体仕様):1,500万円

  • * システムとして活用いただくためには、別途「NanoNaviステーション」(コントローラ、価格:650万円)が必要です。

販売目標台数

年間11台

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お問い合わせ先
株式会社日立ハイテクサイエンス
分析営業部
担当:桑原、水口
TEL: 03-6280-0077
報道機関お問い合わせ先
株式会社日立ハイテクノロジーズ
CSR本部 コーポレート・コミュニケーション部
担当:武内、松本
TEL:03-3504-7760
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