―軸方向・横方向二つの測光を一台で実現、多様な分析ニーズに対応―
2013年8月5日
株式会社日立ハイテクノロジーズ(執行役社長:久田 眞佐男/以下、日立ハイテク)の100%子会社で、分析計測装置を製造販売している株式会社日立ハイテクサイエンス(取締役社長:池田 俊幸/以下、日立ハイテクサイエンス)は、8月5日、SPECTRO Analytical Instruments GmbH(社長:マンフレッド ベーグシュ/本社:ドイツ ノルトライン=ヴェストファーレン州クレーフェ/以下、スペクトロ社)製ICP発光分光分析装置「SPECTROBLUE(スペクトロブルー)」の第3のタイプ、「TI(ティーアイ)」を日本国内で発表・発売しました。
「SPECTROBLUE TI」は軸方向と横方向の二つのインターフェイス方式による測光を一台で実現し、環境および工業関連のアプリケーションである土壌、産業廃棄物、排水を代表とする試料の多元素分析を、高いスループットで行うことができます。
日立ハイテクサイエンスは2011年2月にスペクトロ社と日本国内における販売契約を締結し、同社製のICP発光分光分析装置およびICP質量分析装置を販売しています。なかでも「SPECTROBLUE」は高い性能を持つマルチ(多元素同時)型ICP発光分光分析装置の普及機として日本でも販売を伸ばしています。
従来、「SPECTROBLUE」は測光方式が軸方向(アキシャル)のタイプ「EOP」と横方向(ラジアル)のタイプ「SOP」の2モデルをラインナップしていました。それぞれの特徴としては、軸方向の場合、高い感度と優れた検出限界が得られ微量元素分析に優れるものの、高い濃度のアルカリ金属を測定する場合、イオン化干渉により誤差が出てしまう問題があり、その誤差を少なくするためイオン化抑制剤の添加が必要となります。一方、横方向の場合、高い試料濃度のサンプルでも精度良く測定ができるのに加え、高濃度食塩水、有機物、懸濁液などでも優れた耐性を持つものの、軸方向と比べて感度が低いといった特徴があります。
今回発売する「SPECTROBLUE TI」は、一台で軸方向・横方向の測光ができるツインインターフェイス方式です。
軸方向(アキシャル)
横方向(ラジアル)
両方向(ツイン)
「SPECTROBLUE TI」は従来の「SPECTROBLUE」が有する「パッシェンルンゲCCD光学系」などの基本的な特長はそのまま継承しつつ、軸・横の両測光方式を自動で切り替えて分析を行います。この結果、多様な分析ニーズに対応することができます。例えば環境分析では、土壌や排水のようにアルカリ金属が複雑・高濃度に含まれている試料であっても、イオン化干渉の影響を最小化させた横方向モードによりアルカリ金属のナトリウム、カリウム、またアルカリ土類金属のカルシウムについて精確な分析結果が得られます。加えて軸方向モードによって、カドミウムや砒素、鉛といった微量な有害物質も測定することができます。
今後日立ハイテクサイエンスでは「SPECTROBLUE TI」を環境分野に加え、高塩濃度な製品を取り扱う化学等の産業分野や食品分野などへ向け販売を進めてまいります。
SPECTROBLUE TI
装置名 | SPECTROBLUE | |||
---|---|---|---|---|
タイプ | EOP | SOP | TI | |
測光方式 | アキシャル(軸方向) | ● | ● | |
ラジアル(横方向) | ● | ● | ||
光学系 | マウント | デュアル・パッシェンルンゲ | ||
ピクセル分解能 | 3pm(165~285nm)、6pm(>285nm) | |||
波長範囲 | 165~770nm | |||
外形寸法(本体) | 1,306(W)×780(D)×1077(H)mm | |||
質量 | 約190kg |
「SPECTROBLUE TI」 1,240万円(税別)
20台/年間
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