2014年7月18日
株式会社日立ハイテクノロジーズ(執行役社長:久田 眞佐男/以下、日立ハイテク)の「電界放出形電子顕微鏡」が、このたび、公益社団法人発明協会(以下、発明協会)が創立110周年記念事業として実施した「戦後イノベーション100選」の選定を受けました。
「戦後イノベーション100選」は、発明協会が創立110周年を迎えたことを記念し、戦後日本で成長を遂げ、産業経済の発展に大きく寄与したイノベーションを選定したものです。日立ハイテクの「電界放出形電子顕微鏡」は、7月8日に行われた第一回発表において、戦後復興期から高度経済成長期までの38件のイノベーションの一つとして選定されました。
株式会社日立製作所(以下、日立)は、1968年にアルバート・クリュー博士(元シカゴ大学教授(故人))の開発した電界放出形(FE: Field Emission)電子源を、クリュー博士と共同で実用化した後、1972年に走査電子顕微鏡に搭載し、世界に先駆けて商用の電界放出形走査電子顕微鏡(FE-SEM*)「HFS-2形」の実用化に成功し、簡単な操作で、安定度、信頼度の高い超高分解能像の観察を実現しました。その後も技術のブラッシュアップと自動化を進め、1982年発売した「S-800形」では、大幅に操作性を向上し、FE-SEMの普及に貢献しました。また本技術を応用し、1984年には半導体製造ラインの露光・エッチング工程におけるパターン線幅管理に使用する測長SEM「S-6000形」を発売し、半導体デバイスの微細化に多大な貢献をしてきました。1985年には、日立のFE-SEMを用いて世界で初めてAIDsウイルスのSEM像観察・撮影に成功するなど、触媒、電池の電極材料、ナノチューブといったナノテク分野だけでなく医療・バイオ分野の発展にも大きな役割を果たしてきました。
なお日立ハイテクは、日製産業株式会社と日立の計測器グループおよび半導体製造装置グループが、2001年に統合された会社であり、現在、電子顕微鏡の製造・販売・サービスは、日立ハイテクグループで行っております。
日立ハイテクは、今回の「戦後日本のイノベーション100選」に選定された電界放出形電子顕微鏡をはじめ、今後も優れた技術・製品の開発を通じて、安心・安全で快適な社会の実現および世界の産業の発展に貢献していきます。
1976年: | 「電界放射形高分解能電子顕微鏡の開発」で大河内記念技術賞を受賞 |
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1995年: | 200kV FE-SEM「ミラクルアイ HM-2000」が米国R&Dマガジン社よりR&D100受賞 |
2008年: | 「半導体超微細パターン計測用測長SEMの開発と実用化」で第54回大河内記念 |
2012年: | 「電界放出形電子顕微鏡の実用化」がIEEEマイルストーンに認定 |
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