―試料の前処理なしで迅速な二次電子像観察を実現―
2014年8月4日
株式会社日立ハイテクノロジーズ(執行役社長:久田 眞佐男/以下、日立ハイテク)は、このたび低真空下で二次電子像観察が可能な高感度検出器を搭載した新型卓上顕微鏡「Miniscope®TM3030Plus」(以下、「TM3030Plus」)を、8月4日(月)より発売開始しました。
卓上顕微鏡「Miniscope®」は、ナノテクノロジーやバイオテクノロジー分野を始め、あらゆる産業分野の研究開発、品質管理などで使用される電子顕微鏡を製造・販売している日立ハイテクが、「最先端の顕微鏡を、もっと使いやすく、もっと身近に」をテーマに、世界に先駆けて販売を開始した卓上型の電子顕微鏡です。装置サイズがコンパクトなため、オフィスなどで卓上に置いて気軽に使用できます。光学顕微鏡を超える高い倍率で観察ができ、低真空機能により試料を前処理なしですばやく観察・分析できるのが特徴です。卓上顕微鏡「Miniscope®」は、国内外において、民間企業・大学・官庁や科学館・小中学校などの教育機関でもご利用いただき、2005年4月の発売以降の累計出荷台数が、2014年9月までに2,700台を超える見込みです。
これまで卓上顕微鏡が果たしてきた役割は、主に光学顕微鏡より高い倍率での観察を気軽に行えることでしたが、近年は従来の電子顕微鏡ユーザーが電子顕微鏡上位機種のスクリーニング観察を目的とすることも増えており、卓上顕微鏡に求められるニーズも多様化しています。
今回開発した「TM3030Plus」では、こうした多様化するニーズに対応するため、新たに二次電子検出器を搭載しました。これまでの「Miniscope®」は、試料の組成や凹凸情報を得ることができる反射電子像で観察をおこなっていましたが、上位機種で採用している高感度低真空二次電子検出器を搭載することで、試料表面の微細形状が観察できる二次電子像の観察も可能となりました。
卓上顕微鏡「Miniscope®」の低真空機能により、試料の前処理をすることなく、二次電子像と反射電子像の迅速な観察・分析が可能となり、幅広い用途に対応した鮮明な画像観察をご提供します。
「TM3030Plus」は、現行機種の「TM3030」と合わせて、年間400台の販売を見込んでいます。
日立ハイテクは、8月3日(日)から8月7日(木)まで米国コネチカット州で開催される「Microscopy & Microanalysis」、9月3日(水)から9月5日(金)まで幕張メッセ国際会議場(千葉県千葉市)で開催される「JASIS 2014」において、「TM3030Plus」の実機展示を行う予定です。
卓上顕微鏡「Miniscope®TM3030Plus」
反射電子像 二次電子像
項目 | 内容 |
---|---|
倍率 | 15倍~120,000倍* |
加速電圧 | 5kV/15kV |
観察条件設定 | 表面/通常/高輝度 |
信号選択 | 反射電子/二次電子/合成 |
試料可動範囲 | X:35mm、Y:35mm |
最大試料寸法 | 70mm(径) 50mm(厚) |
電子銃 | プリセンタードカートリッジフィラメント |
自動画像調整機能 | オートスタート、オートフォーカス、オート輝度 |
排気系(真空ポンプ) | ターボ分子ポンプ、 ダイアフラムポンプ 各1台 |
操作補助機能 | ラスターローテーション、倍率プリセット、イメージシフト |
オプション品 | エネルギー分散型X線分析装置(2機種) 3次元画像表示・計測機能 3D-VIEWモータードライブステージ、チルト&ローテーションステージ、クールステージ |
大きさ・質量 | 330(幅)×606(奥行き)×565(高さ)mm、65.0kg |
<本体(マニュアルステージ)> |
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