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Hitachi

株式会社 日立ハイテク

電界放出形透過電子顕微鏡「HF5000形」を開発

-新開発の200kV 透過電子顕微鏡で、サブオングストロームの空間分解能を提供-

 株式会社日立ハイテクノロジーズ(執行役社長:宮﨑正啓/以下、日立ハイテク)は、この度、球面収差補正器を搭載した、加速電圧200kVの電界放出形透過電子顕微鏡「HF5000形」を開発しました。
 「HF5000形」は、当社の透過電子顕微鏡、走査透過電子顕微鏡の技術を融合し、サブÅ(サブオングストローム、0.1nm以下)の空間分解能を実現する新型200kV透過電子顕微鏡で、2015年10月より発売を開始する予定です。

 近年、ナノ先端材料やデバイスの学術研究から企業における研究開発・品質管理までの幅広い分野で、電子顕微鏡の空間分解能と分析性能の向上が求められ、収差補正と分析効率の両立へのニーズが高まっています。これらのニーズに応えるため、日立ハイテクでは、球面収差補正器や大口径EDX*1を搭載した200kV走査透過電子顕微鏡や、300kV透過電子顕微鏡を開発してきましたが、収差補正・分析効率とともに、多様な観察手法から汎用的に用いられる、200kV透過電子顕微鏡プラットフォームにおける両製品技術の融合に対し、お客様から多くのご要望をいただいておりました。

 今回、日立ハイテクでは、「サブÅレベルの高分解能観察・高感度分析を、200kV透過電子顕微鏡プラットフォームで実現する」というコンセプトのもと、球面収差補正器を搭載した、電界放出形透過電子顕微鏡「HF5000形」を開発しました。
 「HF5000形」では、走査透過電子顕微鏡「HD-2700形」に搭載した自社開発の球面収差補正器や自動補正機能、原子分解能SE*2像観察などの特長を受け継ぐとともに、透過電子顕微鏡HFシリーズで培ったTEM*3技術を結集しました。さらに、当社が長年築いてきた冷陰極電界放出形電子源の技術をベースに電子銃の見直しを行うとともに、鏡体、試料ステージを一新し、本体性能・安定性を高めることで、新型200kV透過電子顕微鏡として開発しました。
 これまで当社が培ってきた技術を、200kV透過電子顕微鏡に適用・融合することで、多様な観察手法への対応と、収差補正・分析効率の両立を可能としました。

 日立ハイテクは、新型200kV電界放出形透過電子顕微鏡「HF5000形」の開発により、ハイエンドユーザーをはじめ幅広いユーザー向けに、サブÅレベルの高分解能観察・高感度分析をより多様な観察手法とともに提供してまいります。なお、出荷開始は2015年度後半を予定しています。
 また、5月13日(水)から5月15日(金)まで、国立京都国際会館(京都府京都市)で開催される、「日本顕微鏡学会第71回学術講演会」の商業展示において、本機の参考パネル展示を行う予定です。

*1
EDX:Energy Dispersive X-ray Spectroscopy(エネルギー分散型X線分析装置)
*2
SE:Secondary Electron(二次電子)
*3
TEM:Transmission Electron Microscope(透過電子顕微鏡)

電界放出形透過電子顕微鏡「HF5000形」
電界放出形透過電子顕微鏡「HF5000形」

主な特長

  • 日立製 照射系球面収差補正器(自動補正機能付き)を標準搭載
  • 高安定コールドFE電子銃*4を搭載
  • 鏡体や電源等の高安定化による本体性能向上
  • 収差補正 原子分解能SE像観察
  • 新型サイドエントリー試料ステージ機構、試料ホルダの採用
  • 大口径EDX*のデュアル配置に対応
  • 本体エンクロジャー・カバーの新構造採用
  • 3D解析ホルダ* 、雰囲気遮断ホルダ*など高機能ホルダをラインナップ
  • 日立FIB*5前処理装置との試料ホルダ・リンケージに対応
*
オプション

主な仕様

主な仕様
電子源コールドFE電子銃
像分解能0.078nm(ADF-STEM*6像)
最高加速電圧200kV
収差補正器日立製照射系球面収差補正器(標準搭載)
*4
コールドFE電子銃:冷陰極電界放出形電子銃
*5
FIB:Focused lon Beam(集束イオンビーム)
*6
ADF-STEM:Annular Dark Field - Scanning Transmission Electron Microscope(環状暗視野 走査透過電子顕微鏡)

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担当:武内、松本  TEL:03-3504-7760
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