- 独自のカラムレイアウトを採用し、高精度な三次元構造解析を実現 -
2015年6月30日
株式会社日立ハイテクノロジーズ(執行役社長:宮﨑 正啓/以下、日立ハイテク)は、三次元構造解析の精度・スループットを向上した、リアルタイム3DアナリティカルFIB*1-SEM*2複合装置 「NX9000」を6月30日から発売します。
光学顕微鏡やSEMを用いた表面形状の観察は、先端材料や半導体デバイスから医学・生物までの幅広い分野で行われていますが、試料本来の構造をより正しく理解する上で、内部構造の解析がますます重要になっています。そのため、特定位置での断面作製や超薄膜作製が可能なFIBは、断面のSEM観察やTEM*3解析に欠かせないツールとして、その利用が広がっています。
一方、FIBとSEMの複合装置による三次元構造解析にも、近年、大きな注目が集まっています。FIBによる断面作製とSEM観察を自動で繰り返すことで、連続断面シリーズ像を収集し、特定微小部の三次元構造を解析することができます。
今回開発した「NX9000」は、2014年9月に発売したFIB-SEM複合装置/FIB-SEM-Ar/Xeトリプルビーム®装置「NX2000」に続く、日立ハイテクと株式会社日立ハイテクサイエンス(社長:川崎 賢司、日立ハイテク100%子会社)との共同開発製品です。
「NX9000」では、通常斜めに配置されるSEMカラムとFIBカラムを直角に配置することで、三次元構造解析に最適なレイアウトを実現しました。これにより、従来のFIB-SEM複合装置の課題であった、断面SEM像の縮みや連続画像収集時の視野ズレを回避し、試料本来の構造に忠実な画像を、安定して取得することができます。また、お客様に定評のある高輝度冷陰極電界放出形電子銃と高感度検出系により、生物組織から鉄鋼などの磁性材料まで、多様な試料の高コントラスト・高分解能観察に対応しています。さらに、EDS*4やEBSD*5を組み合わせることで、元素や結晶方位の三次元分布の評価も可能です。これらの特長により、従来の装置では難しかった高精度な三次元構造解析を可能とし、新材料や新デバイスの開発・生命機能の解明に貢献します。
本体定価は2億5千万円(税別)からで、年間40台の販売を見込んでいます。
なお、7月3日(水)にTHE GRAND HALL(東京都港区)、7月9日(金)に千里ライフサイエンスセンター(大阪府豊中市)で日立ハイテクが開催する、「材料解析テクノフォーラム」において「NX9000」の製品紹介を予定しています。
リアルタイム3DアナリティカルFIB-SEM複合装置「NX9000」
従来のFIB-SEM
直交型FIB-SEM
従来のFIB-SEMと直交型FIB-SEMの比較
SEM光学系 | |
---|---|
電子源 | 冷陰極電界放出形 |
加速電圧 | 0.1~30 kV |
分解能 | 2.1nm@1kV、1.6nm@15kV |
FIB光学系 | |
加速電圧 | 0.5~30 kV |
最大ビーム電流 | 100nA |
分解能 | 4.0nm@30kV |
ステージ | |
駆動範囲 | X:0~20mm、Y:0~20 mm、Z: 0~20 mm、T:-25~45°、R:360° * 試料ホルダによりストロークに制約があります。 |
試料サイズ | 6mm角×2mm厚 |
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