-バイオ・メディカルからソフト・ナノマテリアルまで幅広い分野の要求に高観察性能・簡単操作で応える次世代TEM-
株式会社日立ハイテクノロジーズ(執行役社長:宮﨑 正啓/以下、日立ハイテク)は、このたび、新型の透過電子顕微鏡(TEM)*1「HT7800シリーズ」を開発し、3月7日より発売を開始いたします。本製品は、従来機種「HT7700」でご好評いただきました明るい部屋でのデジタル操作の継承に加え、電子光学系の改良や新機能の搭載により高い観察性能と操作性を実現しています。
TEMは物質の内部構造を観察する装置として、医学・生物学分野での研究・診断から食品・高分子・化学・ナノ材料の研究・開発まで、幅広い分野で活用されています。昨今では、観察対象となる材料の小型化により、TEMによる構造解析が一般化した場面も増えたことから、ユーザーの裾野も拡大しており、高分解能・高コントラスト観察などの性能面だけでなく、ユーザーのスキルや知識によらない操作環境の提供が求められています。
このたび発売する「HT7800シリーズ」は、TEM像が写った蛍光板を暗室にて観察する必要がある一般的な観察方法を変更した、従来機種「HT7700」の仕様を継承しており、カメラを設置することでモニター上にて操作を一元化し、明るい部屋でより高精度なTEM像を取得できます。
そして今回、観察性能面においては、従来機種と同様、日立独自の複合対物レンズを搭載したことに加え、このたび新たに電子光学系*2を改良することで、低倍率での広視野・高コントラスト観察と高分解能観察の両立を、より高いレベルにて実現しています。特に高分解能レンズを搭載する「HT7830」は、クラス最高レベルの高分解能観察を達成しています。
また、操作性・スループット面では新しいユーザーインターフェースや視野探しをサポートするナビゲーション機能を搭載しました。なかでも新開発の「Image Navigation」機能は直感的な視野探しを実現し、読み込んだ画像上でエリアを指定することで、自動で任意の倍率の画像を取得するなど機能の向上を実現しています。
国内販売価格は6,170万円(税別)からで、年間70台の販売を見込んでいます。日立ハイテクでは、5月30日(火)から6月1日(木)に札幌コンベンションセンターにて開催される「日本顕微鏡学会第73回学術講演会」にて本製品のパネル出展を予定しています。
日立ハイテクは、2020年に電子顕微鏡グローバルトップをめざすという中期経営戦略のもと、今後とも開発・拡販を進め技術発展に貢献してまいります。また、今後ともハイテク・ソリューション事業におけるグローバルトップをめざすとともに、最先端・最前線の事業創造企業としてお客様視点に立ち、顧客および市場のニーズにスピーディーに対応してまいります。
新型透過電子顕微鏡「HT7800」
HT7800 | HT7830 | |
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電子源 | タングステンまたはLaB6*7 | タングステンまたはLaB6*7 |
加速電圧 | 20 ~ 120 kV(0.1 kVステップ可変) | |
分解能(格子) | 0.20 nm (Off-axis、100kV) | 0.19 nm (On-axis、120kV) |
最大倍率 | ×600,000 | ×1,000,000 |
最大傾斜角度 | ±70° | ±10° |
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