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Hitachi

株式会社 日立ハイテク

エンハンス版マイクロ波ECRエッチングモジュールを開発

-多彩なオプション機能でダメージレス原子レベル加工を実現-

2018年3月22日

株式会社日立ハイテクノロジーズ

 株式会社日立ハイテクノロジーズ(執行役社長:宮﨑 正啓/以下、日立ハイテク)は、次世代半導体デバイス製造プロセスに対応した「エンハンス版マイクロ波ECR*1エッチングモジュール」(以下、モジュール)を開発しました。本製品は、日立ハイテクのコンダクターエッチング装置「9000シリーズ」に搭載可能なモジュールであり、7nm以降の最先端半導体デバイスの開発や量産をサポートします。


コンダクターエッチング装置9000シリーズ

 近年、半導体デバイスは高性能化に伴い、FinFET*2などトランジスタ構造の変化、3D-NANDをはじめとする新方式メモリの実用化、マルチパターニング*3技術に代表される加工プロセスの複雑化など進化を続けています。これらの進化に伴い、半導体デバイスの製造プロセスでエッチングの適用工程数が増える中、7nm世代以降の半導体デバイスに対応するためには、原子・分子レベルのエッチング(加工)ができる高い性能が求められてきました。

 日立ハイテクのコンダクターエッチング装置は、高真空・低圧領域において安定したプラズマ*4を生成し、低ダメージ加工を行えるマイクロ波ECR方式を採用しています。このたび開発したモジュールは、エッチング処理室において、加工を阻害する反応生成物*5の排気能力を大幅に向上する新構造を採用しました。さらに、磁場コイルの配置を最適化することで、従来の低ダメージ加工を維持しながら、加工対象物を形成する複数の膜のうち、加工すべき膜のみを原子・分子レベルで制御する、高精度加工を実現しました。

 また下記のオプション機能を搭載することができます。

オプション機能
複合パルス制御機能*6 プラズマの生成やエッチング処理室内のガスの置換えを制御することで、加工精度をさらに向上
マルチ温度 ウェーハを載せるステージの温度を複数ゾーンに分割し制御を行うことで、温度により変化する加工スピードをウェーハ全体で均一化
プラズマ分布制御機能 エッチング処理室内におけるマイクロ波の伝播を適性化するマイクロ波

電界制御技術と磁場コイル配置の最適化を組み合わせた本機能により、加工を行うプラズマの発生位置を従来よりもさらに正確に制御し、ウェーハ全体における加工精度を向上

 日立ハイテクは、本モジュールの多彩な機能により高精度な加工を実現することで、お客様の半導体デバイスの開発・量産における多様なニーズに対応し、革新的なソリューションをタイムリーに提供し続けるとともに、お客様とともに新たな価値を追求・創造し、最先端のモノづくりに貢献いたします。

*1
ECR(Electron Cyclotron Resonance):真空装置に磁界を印加すると磁界中の電子は磁力線を中心にサイクロトロン運動と呼ばれる回転運動を行います。その回転の速さに合わせた周波数ωのマイクロ波を入射すると、エネルギー共鳴が起こり電界エネルギーが電子に吸収されます。これを電子サイクロトロン共鳴と言い、電子を有効に加速し大きなエネルギーを与えることができます。このようにしてエネルギーを与えて発生させるプラズマをECRプラズマと言います
*2
Fin-FET(Fin-shaped Field Effect Transistor):立体型構造の電界効果トランジスタ
*3
マルチパターニング:微細パターンを形成するために露光を複数回繰り返す方式
*4
プラズマ:正の電荷をもつ粒子(イオン)と負の電荷をもつ電子が電離状態で同程度分布し、全体として電気的中性を保つ粒子集団
*5
反応生成物:エッチング加工に使用する反応性ガスが、エッチングされる材料と反応することで生成される副産物
*6
複合パルス制御機能:プラズマの生成、反応性ガスの置換、反応生成物の脱離と排出などのタイミングを制御する

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担当:佐藤、佐野 TEL:03-3504-5001
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