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Hitachi

株式会社 日立ハイテク

2018年8月21日

株式会社日立ハイテクノロジーズ

 株式会社日立ハイテクノロジーズ(執行役社長:宮﨑 正啓/以下、日立ハイテク)は、このたび、1980年に発売した生化学自動分析装置「日立705形自動分析装置」が、独立行政法人国立科学博物館 (館長:林 良博/以下、国立科学博物館)より「国立科学博物館重要科学技術史資料」(愛称:未来技術遺産)として登録されましたので、お知らせいたします。登録証・記念楯授与式は、8月28日(火)に国立科学博物館・日本館(東京都台東区)にて開催されます。

 「未来技術遺産」は、日本において「科学技術の発達史上重要な成果を示し、次世代に継承していくうえで重要な意義を持つ科学技術史資料」および「国民生活、経済、社会、文化の在り方に顕著な影響を与えた科学技術史資料」の保存を図るとともに、科学技術を担ってきた先人たちの経験を次世代に継承していくことを目的に、国立科学博物館が実施している登録制度です。本登録制度は2008年から毎年実施され、これまで240件の資料が登録されています。
 「日立705形自動分析装置」は、コンパクトな装置サイズと高精度な分析を両立した生化学自動分析装置で、1980年代以降の臨床検査の普及と診断支援に大きく貢献した点が評価されました。


「日立705形 自動分析装置」

 1970年代、大学病院や検査センターなどの大規模医療機関を中心に生化学自動分析装置の導入が進んだことにより、臨床検査の普及が拡大しました。そのため中規模病院やクリニックなどでも日常の外来診察に臨床検査活用のニーズが高まるとともに、専任の臨床検査技師がいない夜間の緊急検査や多項目検査が必要な人間ドックなど、生化学自動分析装置には幅広い対応が求められるようになりました。しかし当時の生化学自動分析装置は装置サイズが大きく、操作・保守・点検が複雑なことから、中規模医療機関における装置導入は難しい状況にありました。また活用範囲拡大に伴い、生化学自動分析装置には幅広い検査項目に対応する柔軟な測定条件の設定や高精度な分析が求められていました。

 「日立705形自動分析装置」では、日立独自で開発した丸形カルーセル型試料テーブル機構*¹を搭載することで、従来検査項目ごとに必要だった試薬チューブが不要となり、装置の大幅なコンパクト化とメンテナンス性を向上させました。また同機構に加え、ランダムアクセス方式*²や全反応過程測光方式*³を新たに開発することで検査の効率性と測定精度の向上を両立しました。さらに、モニター画面で分析条件の指定と登録が可能なユーザーインターフェイスの搭載により高い操作性を実現しました。

 本装置は中規模医療機関を中心に導入が進み、1985年には出荷台数が累計3,000台を突破しました。さらに、装置のコンパクト化と高精度な分析を実現した丸形カルーセル型試料テーブル機構、ランダムアクセス方式、全反応過程測光方式は、現在、生化学自動分析装置のデファクトスタンダードとなっています。

 日立ハイテクは、体外診断分野における技術・製品開発に長年取り組み続けることで、人々の健康を支えてきました。今後も同分野での事業展開をさらに加速し、健康社会の発展に貢献してまいります。

*1
丸形カルーセル型試料テーブル機構:丸形の試料テーブルの円周上に反応容器を設置する機構。試料テーブルを回転させながら反応容器に検体、試薬を分注する。
*2
ランダムアクセス方式:検体ごとに必要な検査項目を指定して検査を実施する方式。
*3
全反応過程測光方式:検体に試薬を注入してから反応が終了するまでの全過程の反応を測定する方式。従来は反応終了後の測定値しか取得できなかったが、本方式により時間の経過による物質変化などが測定でき、より信頼性の高い検査結果が取得可能。

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