―新たな測定方法を採用し、より正確なスクリーニング検査を実現―
株式会社日立ハイテクノロジーズ(執行役社長:宮﨑 正啓/以下、日立ハイテク)の100%子会社で、分析計測装置を製造販売している株式会社日立ハイテクサイエンス(取締役社長:伊東 祐博/以下、日立ハイテクサイエンス)は、改正RoHS指令*1で2019年7月以降、新たに使用が規制されるフタル酸エステル4種(以下、規制対象物質)のスクリーニング精度を大幅に向上させた加熱脱離質量分析計「HM1000A」(以下、「HM1000A」)を開発し、9月4日より日本国内・海外向けに発売します。
「HM1000A」
フタル酸エステル類は樹脂やゴム等を柔らかくする可塑剤として、電線被覆材・電気絶縁テープ・包装用フィルムなどの塩化ビニル製品に多く使用されており、玩具・家電製品・エレクトロニクス製品から一般消費財に至るまであらゆる製品の部材として活用されています。今回の改正RoHS指令により、各メーカーの調達や製造現場では、製品・部品等に含まれる規制対象物質の含有状況の把握・管理が必要になっています。
日立ハイテクサイエンスは2017年7月より、従来の検査方法*2を簡略化することで1試料あたり10分以下でのフタル酸エステル類のスクリーニング検査を可能にした、加熱脱離質量分析計「HM1000」を販売し、改正RoHS指令に対応するだけでなく、環境負荷低減を目的とした検査ソリューションを提供してきました。
「HM1000」ではフタル酸エステル類をイオン化し、直接質量分析することによって規制対象物質を特定しますが、一部製品で使用される「代替可塑剤*4」や「滑剤等のポリマー」の影響により、規制対象物質のスクリーニング精度に影響を与えるケースがありました。
このたび発売する「HM1000A」では、規制対象物質と分子構造が類似していることからスクリーニング精度に影響を与える可能性のある「代替可塑剤」の測定データをリファレンスとした補正機能を新たに開発し、規制対象物質の識別精度を大幅に向上させました。また、特定の質量のイオン強度のみを検出するSIM*4測定と広い質量範囲のイオン強度分布を取得するSCAN測定を同時に実施することによって、「滑剤等のポリマー」による影響を自動で認識・排除することが可能になりました。これらの新機能により「HM1000A」は、より正確なスクリーニング結果を提供します。
従来装置の特徴である高速測定、簡単測定、低ランニングコストを継続しながら、スクリーニング精度を大幅に向上させた「HM1000A」を新たに提供することで、お客様の多岐にわたる製品検査でさらなる効率化と簡易化を実現します。なお、「HM1000」に本機能を搭載することも可能です。
日立ハイテクサイエンスは、2018年9月5日(水)から9月7日(金)まで、幕張メッセ国際展示場(千葉県千葉市)で開催される「JASIS2018」にて、本機の実機展示を行います。また、9月7日(金)11:45~12:35には、ホテルニューオータニ幕張N-3ホールで開催される新技術説明会にて、本機の新機能説明を交えたご紹介を行います。
日立ハイテクグループは、科学機器のグローバルプレーヤーをめざすという中期経営戦略のもと、製品の開発・販売を進め、検査・分析機器により世界のモノづくりに貢献してまいります。また、今後ともハイテク・ソリューション事業におけるグローバルトップをめざすとともに、最先端・最前線の事業創造企業としてお客様視点に立ち、顧客および市場のニーズにスピーディに対応してまいります。
規制対象物質の代替可塑剤に含まれるテレフタル酸ジ-2-エチルヘキシル(DOTP)は、規制対象物質と類似した構造を持っています。これら類似構造をもつ物質について、イオン強度の相関をベースとした補正を行うことで識別精度を向上させ、正確な測定を実現します。
SIM・SCAN同時測定を実現することにより、マススペクトルの周期性を踏まえた測定を可能にし、滑剤等のポリマーが混在する試料に対してのスクリーニング精度を向上させます。
スループット | 10分間/試料 |
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オートサンプラー | 最大50試料 |
外形寸法 | 510(W)×615(D)×615(H)mm |
電源 | AC200~240V |
キャリアガス | 窒素(ガス発生装置の利用。排気設備不要) |
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