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日立ハイテク
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マテリアリティ1 持続可能な地球環境への貢献

アイコン:気候変動に具体的な対策を

基本的な考え方・めざす姿

社会と企業の持続可能な発展のためには、地球環境と調和した企業経営が重要な役割を担っています。当社グループは事業活動に伴う資源・エネルギー消費と環境負荷の低減を図るとともに、環境に配慮した製品・サービスの提供やバリューチェーン全体での取り組み等により、持続可能な消費と生産をめざします。

活動目標

1. 脱炭素社会の実現

事業活動に伴うエネルギー消費に起因するCO2排出量を削減するため、CO2排出量削減に大きな効果をもたらす環境設備投資を計画的に実行するとともに、再生可能エネルギーの積極的な利用を促進することで、自社拠点におけるCO2排出ゼロ(カーボンニュートラル)達成をめざします。また、Scope3(自拠点以外からのCO2排出)および顧客によるCO2削減への貢献を含む、バリューチェーン全体のCO2削減にも取り組みます。

2. 循環型社会の実現

事業活動における水資源の有効活用や省資源、廃棄物削減に取り組みます。具体的には、自社工場内における水使用量の削減とともに、自社製品における環境配慮設計(エコデザイン)の運用により、自社製品の製造に使用する資源をより少なくするよう努めます。また、サーキュラー・エコノミーの実現をめざし、資源循環に資するソリューションの開発と顧客への提供に取り組みます。

3. 自然共生社会の実現

事業活動による自然資本への負のインパクトを減らすため、化学物質の排出などの負のインパクト削減の取組みとともに、「人と自然が共に豊かになる社会」の実現に向けて、森林保全活動など正のインパクト増加につながる生物多様性保全活動に取り組みます。

活動計画

活動計画表

※1 運送会社やバス、タクシー、レンタカー、リース会社など、人や物の移動を目的に、多くの車両をもとに運用する事業者。

アナリティカルソリューションアナリティカルソリューション

ナノテクノロジーソリューションナノテクノロジーソリューション

バリューチェーンソリューションバリューチェーンソリューション

コアテクノロジーソリューションコアテクノロジーソリューション

取り組み内容の詳細

活動目標1 脱炭素社会の実現

2021年度実績
当社グループのカーボンニュートラル達成への取り組み

地球温暖化と気候変動に対策が求められる中、日立グループは2030年度までに工場やオフィスのCO2排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」の目標を掲げています。当社は日立グループの中でもいち早く7つの事業所でカーボンニュートラルを達成しています。2021年度には日立ハイテクソリューションズ水戸事業所と日立ハイテクマニファクチャ&サービス第6事業所の2拠点がカーボンニュートラルを達成しました。この結果、2021年度のCO2排出量は27.7千t-CO2、2019年度比35%削減となりました。

2024中期経営計画に向けた取り組み

1 半導体製造・検査ソリューションの提供ナノテクノロジーソリューション

半導体製造におけるCO2排出量削減に取り組み、デジタル社会の脱炭素化に貢献

当社は半導体製造において加工・検査・計測工程をカバーする装置を提供しています。現在、半導体業界では、半導体需要の拡大に伴い電力消費量の増加を含むCO2排出量の増大が課題となってきています。これら課題に対し、当社は現在製造・販売を継続している装置への対応と、開発を進めている装置への対応の両面から対策を進めています。現在製造・販売を継続している既存装置については、消費電力量を抑制できる交換部品の開発等を実施し既存装置に適用することでCO2排出量の削減を行っていきます。新製品に関しては、開発段階から環境負荷低減を重視した装置開発を行うことで、消費電力量の抑制を図るほか、消耗品の長寿命化や装置の処理速度の向上、メンテナンス作業時間の短縮等の施策により生産性を向上させ一処理当たりのCO2排出量の削減を図っていきます。また当社装置は装置稼働時のCO2排出量の低減を行うとともに、マクロな観点では高性能・低価格な半導体の生産に寄与することで、デジタル社会の進展に伴うCO2削減排出量抑制にも貢献していきます。

半導体を検査・計測するFEB測長装置 CG7300
半導体を検査・計測するFEB測長装置 CG7300
半導体を製造するシリコン用エッチング装置 M-9010XT
半導体を製造するシリコン用エッチング装置 M-9010XT

2 カーボンニュートラル材料の計測・検査ソリューションの提供コアテクノロジーソリューション

幅広い分野で、カーボンニュートラルの実現のための次世代の材料開発を支援

カーボンニュートラル実現のためには、これまでにないドラスティックな変革が必要です。従来、電気エネルギー生成にはタービンやエンジンが使用されてきましたが、自然エネルギーを使った太陽電池や、水素を使った燃料電池の発電効率を高めるためには、ナノレベルで制御された材料開発が求められています。たとえば次世代エネルギーの代表格である燃料電池では、水素と酸素を水に変えて電気を生成する際に触媒が欠かせないことから、当社はその触媒の研究・開発のための電子顕微鏡を提供しています。また、それ以外のカーボンニュートラル実現に貢献する技術である、水素、アンモニアやメタンの活用及びバイオマス推進などには、マイクロ・ナノレベルの素材開発が必要となります。当社は電子顕微鏡と技術、知見を活用し、各国の企業・大学・研究機関と共同で取り組みを進めていきます。

カーボンニュートラル材料の計測・検査ソリューションの提供

3 LiB製造ソリューションの提供ナノテクノロジーソリューションコアテクノロジーソリューション

LiB(リチウムイオン二次電池)の研究開発・製造・検査工程を含めたトータルソリューションにより、安全なLiBの提供と次世代型LiBの開発に貢献することで、EV (電気自動車)の普及を促進

ガソリン車やディーゼル車がEVへと置き換わりつつあります。当社は約30年前からEV等の蓄電池として使用されるLiBの製造設備を提供しており、現在は、EVの低価格化と電池の大容量化に向けて、設備メーカーとともに、新たなLiB製造設備の開発を進めています。2022年には、次世代型LiBの開発をめざす電池メーカーに、当社のエンジニアを派遣して技術支援を行う、プレエンジ活動を開始しています。LiB製造において、不良原因の大半を占める金属異物混入は、品質や安全にもかかわる課題です。また、不良に伴い、レアメタルを含む原材料の廃棄も発生しています。これらの課題に対しては、当社の電子顕微鏡とX線異物分析装置により、精度の高い原材料受け入れ検査と製造工程内での異物検出が可能になります。現在は抜き取り検査が主流ですが、今後は精度を高め、製造工程上流での全品検査を含めた、生産工程全体での検査の実現をめざしています。検査精度を高めれば、現在の課題である材料の歩留まり改善に貢献できるほか、不良率の大幅低減により、廃棄材料の大幅削減とコスト削減が可能となり、採算性や量産性の向上が期待されます。当社のエンジニアリング力と設備開発力で、より安価で安全なEVの普及と脱炭素社会・循環型社会の実現に貢献していきます。

LiB製造の原反工程で使われるロールプレス設備(株)日立パワーソリューションズ製
LiB製造の原反工程で使われるロールプレス設備
(株)日立パワーソリューションズ製

4 リチウムイオン電池(LiB)ライフサイクルマネジメント

商用EVフリートマネジメント事業者を起点に、LiBリユース・リサイクル、製造などバリューチェーンの顧客に対し、企業価値を向上するDXソリューションを提供、環境価値を創出する

世界的な脱炭素社会実現に向け、自動車の電動化に対するニーズが高まる中、EVへの移行促進、LiB資源の寿命延伸、貴重な有価金属の有効活用、LiBの生産・リサイクル工程の環境負荷軽減が課題となっています。特に商用車を扱うフリートマネジメント事業者においては、EV移行へ向けて、LiBの安定的かつ効率的な運用実現を近々の課題と捉え、当社は「車載リチウムイオン電池用遠隔劣化診断サービス」を開発しました。当社が開発した2種類の電池劣化診断技術(1:高速診断 2:遠隔診断)により、従来難しかったLiBの劣化状況把握が可能となり、電池寿命を最大限に利用できる環境を提供するとともに、EVからの退役電池を蓄電システムなどにリユース・リサイクルする環境の整備につなげることで、電池ライフサイクル全体に寄与することをめざします。国内・海外の顧客に本サービスの提案活動をするとともに、バリューチェーン全体の顧客の課題を掘り起こし、ソリューションを創出、脱炭素社会の実現に貢献していきます。

LiBの劣化状況を診断する様子
LiBの劣化状況を診断する様子

活動目標2 循環型社会の実現

2021年度実績
当社グループの水使用量・廃棄物発生量の削減

資源利用効率の改善を目指す中、水使用量は原単位で53%、廃棄物発生量は原単位で33%改善しました。CDP※2・水リスクについては2020年度に引き続き、「A-」※3を取得しています。

2024中期経営計画に向けた取り組み

5 アルミリサイクルを実現するエンジニアリングサービスの提供バリューチェーンソリューション

100%リサイクルアルミ材を使用したアルミホットスタンプ事業により、リサイクル事業を促進

アルミニウムは様々な製品・部材等に使用されています。当社は、プレス用のアルミ板を製造する際、原材料に新地金を使用せず、リサイクル材を使用することによって、合金製造時のCO2排出量を約97%削減可能とする加工技術を、ある顧客とともに、実証実験しています。リサイクル100%合金からなるアルミ板とアルミプレス工法による、最高レベルの成形性、寸法精度が得られる新工法アルミホットスタンプ加工技術を開発(特許出願中)することによって、リサイクル100%、製造プロセスで排出されるCO2が大幅削減となるアルミ製品を創出します。また、製品のバリューチェーン構築にも積極的に関与していき、リサイクル事業の推進により、貴重な資源を無駄にしないサーキュラーエコノミーの実現をめざします。今後は事業化を進め、2022年度には、まずは日用品等に展開し世の中に認知してもらうことから着手し、将来的には自動車(EVを含む)や小型モビリティへの展開をめざしていきます。

アルミリサイクルを実現するエンジニアリングサービスの提供

※2 CDP:英国の独立非営利団体。世界の投資家の依頼を受け、企業の「気候変動」「ウォーター(水)」「フォレスト(森林)」に関する情報を調査し、評価・公開している。

※3 「 A−(リーダーシップレベル)」:リーダー企業として認められる具体的な行動を開示している。

活動目標3 自然共生社会の実現

2021年度実績
豊かな自然の再生をめざし、生態系保全活動を国内外ともに継続実施

自然共生社会の実現をめざし、生物多様性に富んだ森づくりに取り組んでいます。2021年度は、日立ハイテクサイエンス・富士小山事業所内にある研究開発施設を取り囲む緑地「日立ハイテクサイエンスの森」において、地域ごとに植生の調査を実施し、人工的に植えたスギやヒノキの在来種への置き換えを進めました。また、より生物が生息しやすくなるよう、昆虫たちのすみかとなるインセクトホテルを設置しています。中国では2021年4月より3か年の計画で事業所内の敷地にサクラを植える活動を続けているほか、多様な生物がすみやすい環境整備に着手しています。

2024中期経営計画に向けた取り組み

人と自然が共に豊かになる社会をめざし、取り組みの継続と拡大とともに、従業員の意識向上を図る

2022年度は、昨年度実施した調査に基づき、各地の活動対象拠点で在来種の植樹を開始します。今後も植樹活動を継続し、エリアを拡大していきます。現在、世界で保全されている陸地は17%、海は10%と言われていますが、世界共通の目標として、これを30%まで引き上げようという動きがあります。そのため国は企業が所有・管理する緑地などの保全活動を促しています。取り組みを推進している企業は「民間と連携した自然環境保全(OECM)」地域として、認定を受けることができるとしています。当社もこの取り組みに賛同し、OECM認定をめざします。また、今後は、アフターコロナの中、実際の活動の推進と併せて、在宅や離れた場所からの活動機会を提供することで、より多くの従業員の参加と意識向上を図ります。このことにより、従業員が生物多様性保全と地球環境保全の面から業務・事業を見直す意識の向上も期待できます。

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