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分野別 : 新素材開発AFM(高分子)

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あらゆるステージで活躍する日立のAFM

分野別

多様化するニーズに応える環境制御

高分子は、従来の化学や繊維のみならず、医療や電子産業に至るまでの幅広い領域で応用が進み、市場規模が拡大しています。日々、技術革新を続ける高分子の研究において、AFMは広く利用され、高分子のさらなる応用の基礎を支えています。AFM5500Mは、高分子の応用領域が広がるにつれ多様化が進む測定ニーズに応え、幅広い環境下における安定した表面形状と弾性率分布の測定を実現します。

環境制御による安定測定

適用製品:

真空中でも測定が可能なため、加熱または冷却しても安定して測定が可能です。大気中加熱のように、熱酸化により表面形状に影響を及ぼすことや、加熱による大気ガスの対流の影響もありません。-120から+800度までの幅広い範囲で加熱・冷却測定が可能です(測定は+300度まで)。また、湿度制御と液中測定にも対応します。

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大気中および真空中MFMによるネオジム磁石の加熱測定例 弾性率の定量測定

弾性率の定量測定

適用製品:

環境制御ユニットを用いることで加熱および冷却または温度/ガス雰囲気制御下における弾性率定量測定を行えます。形状像を取得しながら、同時に弾性率をナノスケールでマッピングし、定量的な弾性機械特性評価が可能です。

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ブレンドゴムの冷却下における弾性率マッピング例

低湿度/高湿度/液中の燃料電池電解質膜のAFM観察

環境制御型原子間力顕微鏡 AFM5300E は、これまで述べてきた大気中、高真空中、加熱、冷却以外にも、ガス置換や湿度制御、液中測定に対応したオプションがあります。図6-1はそれらの環境制御オプションを用いた低湿度(10%)、高湿度(80%)および純水中における燃料電池電解質膜のAFM観察結果です。湿度が大きいと電解質膜が吸水、膨潤して太くなる様子がわかります。純水中では更に膨潤し粗い面に変化しています。

※ 燃料電池への応用 -電解質膜の湿度制御下および純水中での観察(AFMアプリケーションブリーフ No. 59)

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低湿度(10%)、高湿度(80%)および純水中における燃料電池電解質膜のAFM観察

真空中観察が適さない事例

高分子材料の中には、低分子量成分や残存溶媒など揮発成分が表面から昇華あるいは気化し、材料表面の構造や組成が変化する場合があります。図8-1 は、フィルム状高分子材料を約30分間真空引きした前後の構造変化をAFM観察した事例です。真空引き後に表面が荒れ、数nmの高さの凹凸が生じています。

※ フィルム状高分子材料の真空下における構造変化の観察(AFMアプリケーションブリーフ No. 41)

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フィルム状高分子材料の真空下における構造変化

真の形状、物性観察を実現

適用製品:

多機能同時マッピングオプション SIS-ACCESS

SIS-ACCESSは、AFM形状像と同時に各種物性像〈誤差信号、形状微分(エッジ強調)、硬さ、吸着力、変形、散逸)、電流またはLM-FFM(横振動摩擦力)〉を同時取得することが可能。また、新たに開発されたSISモードにより、従来手法と比べ接触荷重を従来のコンタクトAFMと比べ10分の1以下の微弱力設定が可能となりました。

特徴

  • 微弱力測定を可能にする新アルゴリズムを搭載した新しいSISモードを搭載
  • AFM形状像と各種物性像〈誤差信号、形状微分(エッジ強調)、硬さ、吸着力、変形、散逸、電流、LM-FFM(横振動摩擦力)〉を同時取得可能
  • 最大8チャンネルまでの同時取得及び表示機能を搭載

従来のAFMとSIS-ACCESSの比較

・従来のAFM:常に水平方向の力が働く為、軟サンプル表面ではプローブがサンプルに押込まれてしまい、真のサンプル表面情報を得ることが困難。右図では、ソフトドメイン部が変形し凹に観察。

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・SIS-ACCESS:水平方向の移動は、垂直方向と完全に独立されサンプルから離れた場所(上方)にて行われる為、水平方向の力によりプローブがサンプルに押込まれることを防止。右図では、ソフトドメイン部の変形が抑制され真に近い形状で観察。

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アプリケーション事例

・ブレンドポリマーの各種物性像:左から散逸像、変形像、吸着像、硬さ像、形状微分(エッジ強調)像、形状像

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本製品は、弊社製AFM5000IIコントローラに対応したオプション製品となります。
SISは、弊社が開発したSampling Intelligent Scan機能であり、データ取得時のみ探針と試料が接触し、それ以外はサンプル上方に退避しながら水平方向に従来手法と比べ高速移動し、試料表面に接触しそうな場合には走査速度を落として試料面から上昇するような退避動作を自動で行う機能です。
注1:従来手法との比較で真に近い形状が得られます。

加熱、冷却下での定量測定を実現

適用製品:

弾性率定量オプション SIS-QuantiMech

SIS-QuantiMechは、各点のフォースカーブを荷重-押込み量カーブに変換し、各接触モデルの近似によりヤング率を算出することが可能。また、新開発のSIS-ACCESS機能と標準搭載されるナビゲーション機能を用いることで一連の作業を直感的に行え、形状像を取得しながら同時に定量的な機械特性評価が可能になりました。

特徴

  • ナノスケール機械特性の定量的な物性像を形状像と同時取得
  • 3種の定量イメージング機能(弾性率像、吸着力像、試料変形像)
  • 各種接触理論モデル(Hertz、DMT、JKR2点法)に対応
  • ばね定数計測には、サーマル法と光学顕微鏡画像からの画像認識によって算出するサイズ計測法から選択可
  • 環境制御ユニットを用いることで加熱および冷却または湿度/ガス雰囲気制御下における測定を実現

ブレンドゴムの冷却下における弾性率マッピング

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ゲルのDMAとAFM弾性率測定

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本製品は、弊社製AFM5000IIコントローラに対応したオプション製品となります。本製品のご利用には、SIS-ACCESSが別途必要となります。
SISは、弊社が開発したSampling Intelligent Scan機能であり、データ取得時のみ探針と試料が接触し、それ以外はサンプル上方に退避しながら水平方向に従来手法と比べ高速移動し、試料表面に接触しそうな場合には走査速度を落として試料面から上昇するような退避動作を自動で行う機能です。

関連情報

走査型プローブ顕微鏡(SPM/AFM)に関する測定手法、測定例の一部を、会員制情報検索サイト「S.I. navi」でご提供しています。
リストの一部はこちらからご覧いただけます。

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