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Hitachi

日立ハイテクサイエンス

2019年5月30日

株式会社日立ハイテクサイエンスは、このたび「蛍光X線膜厚計の新技術を用いたプリント基板のめっき膜厚・濃度管理手法」で、「第15回JPCA賞(アワード)」を受賞しました。表彰式は、6月5日(水)にJPCA Show 2019内の特設会場にて開催されます。

「JPCA賞(アワード)」は、電子回路技術および産業の進歩発展に顕著な製品・技術の表彰制度として2005年に創設されたもので、出展者による新製品・新技術紹介「NPI(New Product Introduction)プレゼンテーション」参加企業の中から、応募のあった発表者が対象になります。審査は学術界、電子回路業界、専門誌編集者等の有識者の方々で構成するJPCA賞(アワード)選考委員会にて行われ、内容の『独創性(独自性・オリジナリティ)』、『産業界での発展性・将来性』、『信頼性』、『時世の適合性』が審査基準となります。今年は4件の製品・技術が選ばれています。

会期中、JPCA Show 2019の当社ブース(ブースNo.2-304)で製品展示するとともに、会場内のJPCA賞コーナーでパネル展示を行います。

受賞テーマと内容のご紹介

テーマ名

「蛍光X線膜厚計の新技術を用いたプリント基板のめっき膜厚・濃度管理手法」

講演日時・会場

6月7日(金)11:30~
西展示ホール内2F 西1商談6 NPI会場A

講演者

株式会社日立ハイテクサイエンス
アプリケーション開発センタ 大阪応技術課
泉山 優樹

内容

めっきの厚さを計測する手法の1つとして蛍光X線分析法がある。蛍光X線分析法は特別な前処理が不要で、かつ非破壊・非接触で比較的短時間で測定できることから品質管理目的で広く使用されている。また、多元素同時分析もできるため、複数層の膜厚や合金層の元素組成の評価も可能である。当社は、蛍光X線分析法を原理とした膜厚測定の専用機を1978年より継続的に製造・販売しており、絶えず時代のニーズに合わせた製品を提供するよう努めてきた。

近年、スマートフォン等の電子機器類の小型化や高機能化に伴い、高密度実装が進み、コネクタなど搭載される電子部品自体が非常に小さくなってきている。それに合わせて、電子回路基板のパターンも微細化が進んでおり、めっきも薄膜化が進んでいる。その結果、50 μmを下回るような大きさを持つ端子のめっき膜厚を高精度かつ高スループットで測定したいというニーズも多くなった。このようなニーズに応えるために、当社では高性能蛍光X線膜厚計FT150シリーズを開発し、2015年より販売を行ってきた。

最近になり、プリント基板で広く使われている無電解ニッケル(Ni)/金(Au) 2層めっきの膜厚と無電解Niめっき中のリン(P)濃度の同時測定のニーズが出てきている。この背景にはプリント基板の規格であるIPC-4552が2017年8月にIPC-4552Aへと改訂され、無電解NiめっきのP濃度測定が追加されたことも関連している。当社では無電解Ni/Au 2層めっきの膜厚とP濃度の同時測定を可能にする技術を新たに開発し、FT150シリーズに搭載した。今回、この最新技術を中心とした、プリント基板の膜厚・濃度測定技術を紹介する。