開発、製造、販売、サービスの一貫体制を構築

日立製作所の計測器グループと半導体製造装置グループは、半導体や素材、医学、バイオ分野向けに、半導体製造・検査評価装置、医用検査装置、電子顕微鏡などを製品化してきた。特に、血液自動分析装置などの検体検査装置分野や電子顕微鏡分野、半導体製造ライン向けの検査・評価装置を含む半導体製造装置分野で世界トップクラスの技術を有していた。半導体や医療、ライフサイエンスをはじめとする最先端技術分野の技術革新は目覚ましく、世界をリードする先進技術の開発をめぐって激しい競争が続いている。こうしたナノテクノロジー領域で顧客ニーズに応えていくには、日立グループとして一体的な戦略・運営を行うことが不可欠である。

計測器グループ、半導体製造装置グループ、日製産業にとっても、「製・販・サ」一体の体制づくりは悲願だった。顧客は世界的なメーカーからベンチャー企業にまで広がっている。それぞれに最適なソリューションを的確に提供していくには、日立製作所の技術・製品力と日製産業の営業力の強みを融合し、開発から製造、販売、サービスまでの一貫体制を構築する必要があった。「製・販・サ」一体により意思決定の迅速化、経営効率の向上が図られ、市場変化や顧客ニーズを先取りしたスピーディーな製品開発、最適なソリューションの提供を行うことが可能となる。さらに、リソースの集中と有効活用によりライフサイエンス分野などでの新規事業の創出が促進される。その発展として、ナノテクノロジー領域における世界トップ企業の道が拓けてくるのである。

しかし、設立時の経営環境は決して楽観できる状況になかった。国内は1991年のバブル経済崩壊の余波による長期不況とデフレが継続しており、世界経済をけん引してきた米国のITバブルが崩壊し、中国など新興国の攻勢が強まるなど厳しい情勢が立ちはだかっており、日立ハイテクノロジーズは、設立早々からさまざまな荒波を乗り越えていかねばならなかった。

本社ビル
本社ビル
[新会社の概要]
  • 会社名
    株式会社 日立ハイテクノロジーズ
    Hitachi High-Technologies Corporation
  • 本社所在地
    東京都港区西新橋一丁目24番14号
  • 代表者
    取締役会長 桑田 芳郎
    取締役社長 樋口 紀昭
  • 資本金(設立時)
    7,938百万円
  • 従業員数(設立時)
    7,945名(連結ベース)