2003年4月、当社は経営戦略室を設置して経営企画・連結経営の強化を図るとともに、モノづくりでは設計・製造統括本部を廃止して、那珂事業所、笠戸事業所を社長直轄とし、新たに那珂研究開発本部を設置して、研究開発・製品開発の迅速化を図った。
6月には、林將章代表執行役 執行役社長兼取締役が就任する一方、コーポレートガバナンスの強化、経営の透明性向上のため、委員会等設置会社に移行した。2004年1月にはコンプライアンス通報窓口も開設している。
林社長は、就任挨拶の中で、経営目標「顧客にバリューを提供し、ナノテクノロジーの事業におけるグローバルトップを目指す」を掲げているが、バイオを含めたナノテク分野は大きな成長が期待できる、そのナノテク市場で当社は絶好のポジションにあり、4つのコア事業を柱として事業の飛躍的発展を図っていくという経営方針を示した。
具体的には、顧客第一主義の徹底、選択と集中、リーダーシップとやる気へのインセンティブ、連結経営の効率向上、事業のグローバル展開の5項目を推進することで「日立ハイテクブランドの確立」を実現することを目標とした。経営体質強化、新製品・新規顧客の開発、投資事業の早期黒字化、グローバル事業の拡大と中国ビジネスの強化が重点テーマとなった。
こうした経営目標・基本方針をもとに、制定されたのが「企業ビジョン」である。2003年12月に制定されたこの「企業ビジョン」および「事業方針」「経営管理方針」「企業文化方針」のもと、現在も当社の経営が進められている。