経営改革プロジェクトの推進などにより業績は大きく伸長した。2004年度連結決算では、売上、利益とも過去最高値を更新し、営業利益300億円、当期利益150億円の大台に乗せた。2005年度も売上高こそ市場の調整期にあって微減したものの、営業利益360億円、当期利益192億円をあげている。
そして、設立5周年を迎える2006年、当社は次なるステージへの飛躍をめざして2008年度を最終とする「中期経営計画」を発表し、連結売上高1兆円、連結営業利益500億円を大目標として「市場成長を上回る高収益企業」へのチャレンジを開始した。
その基本方針は、自社製品では「R&D強化による強い製品の開発とスピードアップ」、商事品では「中長期的視点と営業投資による新ビジネスモデル開発」にあった。
これに先立ち、2005年5月には、那珂事業所に新工場を建設し、日立ハイテク電子エンジニアリング 埼玉事業所のウェーハ欠陥検査装置の製造を那珂事業所に移管している。同社が当社ファインテック製品事業本部となった後の2007年4月には埼玉事業所に液晶パネル第8世代以降に対応する液晶製造・検査装置を製造する新工場棟が完成した。
また、2008年2月には株式会社日立ハイテクインスツルメンツが埼玉県熊谷市にチップマウンタの新工場を建設するなど、重点注力分野での積極的な投資を行った。
そして、さらなる飛躍へ。
2007年4月に就任した大林 秀仁代表執行役執行役社長兼取締役は、中期経営計画の達成に向け、市場潮流を見極め、確実に対応する一手を矢継ぎ早に打っていく「熟慮断行」、すなわちスピードとアジリティが重要であるとして、スピード重視の経営、現場重視の経営、連結経営の強化、価値創造と価値回収、競合に一目置かれる会社、「基本と正道」「損得より善悪」を大切にする会社を志向することを方針に掲げた。
業績では、2006年度連結決算は売上高9,516億円、営業利益451億円、当期利益261億円、2007年度は売上高9,431億円、営業利益491億円、当期利益269億円となり、6年連続で最高益を更新するとともに、売上高1兆円、営業利益500億円に肉薄した。