中小型プラントに対応したPLC計装システム

日立の分散型制御システム(DCS:Distributed Con-trol System)は、1975年の発売以降40年以上の歴史を持ち、継承性を重視して製品開発を進めてきた。1982年には「EXシリーズ」の名称を採用し、食品・医薬・化学・環境(ゴミ焼却)・簡易水道など、主に液体や粉体を原料に中間製品・最終製品を製造するプラントで活躍している。

日本の製造業は、2000年前後から海外からの安価な製品の流入、製造人口減少などの厳しい外部環境にさらされるようになった。これに対応するため、中小型の食品プラントなどでは、生産効率向上を目的にプロセスの自動化を進める動きが活発になっている。このような市場ニーズに応えて、株式会社日立ハイテクトレーディング(当時)と株式会社日立ハイテクコントロールシステムズ(当時)は2008年に、PLC(Programmable Logic Controller)の汎用性とEXシリーズの持つアナログ制御機能を組み合わせた日立コンパクト計装システム「PD-1」を開発・発売した。汎用PLCには、株式会社日立産機システムのEH-150シリーズを採用している。

小型プラントは、設備単位にPLCで制御するものがほとんどだが、PD-1は、オープンネットワークを活用し、複数の設備を低コストで一元管理できる。この特色が評価され多数の小型プラントに納入された。また、EXシリーズで培った使い勝手の良いシステム構築ツールも高い評価を得た。

近年は、食品プラントだけでなく、小型の医薬プラントや化学プラント、研究開発プラントなどに適用範囲が広がっている。2012年発売の現行モデルPD-N01をはじめ、今後もEXシリーズの遺伝子を受け継ぐ製品を開発・販売をしていく。

コンパクト計装システムPD-N01
PD-N01 システム構成図