連結経営を支える経営管理制度と情報システムの革新

2001年の統合では、情報システムの連携・統合が不可欠であった。2001年3月から統合に伴う情報システム対応が検討された。半年間というタイトな日程の中で、メーカーと商社の用語や文化の違いを乗り越え、苦労の末ひとつの会社としての決算システムが動き出した。その後、「製・販・サ」ごとに基幹システムを統一する標準化が順次進められていった。

さらに、2009年から、グローバルな連結経営、キャッシュフロー経営を実現するための経営管理制度および情報システムの革新が進められた。

「製・販・サ」一体で運営されている営業統括本部別に業績を管理し、連結でキャッシュフロー経営を実現するという「新経営管理制度」に基づき、2010年には「新連結経営情報システム」が構築され、連結本部別バランスシートやキャッシュフロー計算書、連結製品別・地域別損益計算書が作成・活用されるようになった。

また、2012年度には、製品稼働状況とサービス活動を「製・販・サ」で共有する「グローバルサービス支援システム(GSS)」と海外拠点の基幹システムを統合した「グローバルERPシステム(GERP)」が稼働し、グローバルで連結経営のスピードがさらに向上した。これらは、企業体質強化のためには、業績の困難な時期もIT投資は継続する、という経営トップの強い意思によって実現した。

IT戦略における各施策の位置付け