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構造細胞生物学のための電子顕微鏡技術

4. 凍結置換法(freeze substitution)(3)

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(3) 凍結置換と免疫細胞化学

凍結置換法は試料を凍結状態のまま水分をアセトンと置換し、同時にアセトン中に溶けている固定剤により固定するわけであるから、細胞内物質の流失を抑え構造の変化を最小限に抑えることになる。 すなわち、蛋白質の局在を調べる免疫細胞化学ためには固定剤を選べば理想的な固定法となる。
我々はアセトン単独による凍結置換からパラフォルム、タンニン酸やグルタールアルデヒドなど様々な置換を試みた。アセトン単独でも十分固定効果はあり、細胞の微細構造は保存される。 抗原性もよく保存され、抗体により感度の良い免疫標識が得られる。しかし、コントラストは低く膜構造は鮮明ではない。
これまでの経験から免疫標識を目的とした凍結置換固定にはタンニン酸を固定剤として用いることを薦める。タンニン酸は酢酸ウランと良く反応し、コントラストを上げるだけでなく、 オスミウム酸とも強く反応するので、例えば最終段階で数秒間オスミウム酸に浸し、微細構造をも鮮明にすることができる。
この場合、蛋白質を覆っているタンニン酸とオスミウムが反応し、蛋白質とオスミウム酸の反応はそれほど進まないので抗原性はそれほど低下しない。もちろん何分もオスミウム酸と反応させれば抗原性は低下する。

実験手順:

  1. ガラス管瓶に5~8mLの純粋なアセトンをとり、2%濃度になるようにタンニン酸を溶解する。これを-80℃まで冷却する。
  2. 凍結試料を投入し、2日間-80℃のまま保存し、置換固定を行う。
  3. 別のガラス管瓶に5~8mLの純粋なアセトンをとり、1%濃度になるようにオスミウム酸を溶解し、-80℃に保つ。
  4. 2日後、置換固定した試料を同じ-80℃のオスミウム酸アセトンにピンセットで移動し、1分間反応させる。その後-80℃の純アセトンに2回(1分間ずつ)移し、最終的に純アセトン溶液で-20℃の冷蔵庫中で20分間保存する。
  5. その後室内に取り出し、室温まで上昇させる。
  6. 室温にて5分ずつ2回純アセトンで洗浄した後、包埋過程にはいる。

包埋過程は樹脂により異なるが、Lowicryl K4Mへの包埋には免疫細胞化学の包埋手順を参照。エタノールの代わりにアセトンを使い脱水を行ったとして進めればいい。また、エポキシ樹脂に包埋するためには前述の一般的な凍結置換法を参照されたい。

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