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非線形誘電率顕微鏡(SNDM:Scanning Non-linear Dielectric Microscope)

原理

探針試料間に交流電圧VACを印加した際の探針直下の静電容量の変化 ∂C/∂V、∂²C/∂V²、∂³C/∂V³・・・を約1GHzの準マイクロ波発振回路の周波数変化としてFM復調器で検出し、半導体のキャリア分布、強誘電体の分極ドメインを可視化できます。最新の研究では1013 atom/cm³ レベルの低濃度まで観察可能です。

* SNDMの製品開発には、SNDMを発明された東北大学 電気通信研究所 教授 長康雄様のご指導をいただきました。

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SNDMを半導体に適用した際の、交流電圧による空乏層変調の様子(スローモーション)です。走査型容量顕微鏡(SCM)は空乏層変調を容量センサーの振幅変化で検出していますが、SNDMでは、準マイクロ波発振回路の周波数変化を検出しています。

非線形誘電率顕微鏡(SNDM)の適用例

Si MOS transistor

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Silicon solar cell

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真空中SNDM、C-Vカーブ解析の優位性(イオン注入で作製したp-n構造の測定例)

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大気中と比べて真空中では吸着水影響が無く、より高分解能な観察、安定した∂C/∂V-Vカーブ、C-Vカーブ測定を行うことができます。真空中のSNDM像(d)の右下のp型領域中に観察されているn型の微小スポットが大気中SNDM像(a)では観察されていません。真空中ではp型、n型の2つの濃度の値に対して、∂C/∂V-Vカーブ、C-Vカーブ(b, d)もほとんど2つに分離していますが、大気中のカーブ(e、f)では、吸着水影響によりばらついた結果になっています。

Jing-jiang Yu et al., "Environmental control scanning nonlinear dielectric microscopy measurements of p-n structures, epi-Si Wafers, and SiC crystal defects", ISTFA 2015: Conference Proceedings, 341-348, 2015.

SiC Power MOS FET の真空中SNDM観察、pnジャンクション近傍のC-V解析

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SiC Power MOS FET の真空中SNDM観察によりデバイス構造に対応したキャリア濃度分布像が得られています。pnジャンクションをまたいでp領域からn領域に向かう10ポイントのC-Vカーブ測定でも、DC電圧掃引による空乏層変調の様子が濃度、極性に応じて鮮明に得られています。

ニオブ酸カリウム(KNbO3)単結晶の分極ドメイン

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SNDMは強誘電体の分極ドメインを可視化できます。この画像はニオブ酸カリウム単結晶の垂直方向(d33方向)の分極をSNDM観察した結果です。

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