PMI-MASTER Smartを用いたリサイクルのための亜鉛合金の元素分析
亜鉛は鋼材のメッキや自動車のダイカスト材をはじめとして幅広い用途で使われています。特に鉄の防錆として用いられることが多く、使用過程で亜鉛自身が酸化溶出するために、かつてはリサイクルが難しい金属とされてきました。現在、日本国内での亜鉛のリサイクル率は20-30%前後と推定されています。日本では資源有効利用促進法において亜鉛の鉱物資源の枯渇が指摘されており、脱炭素社会の実現や資源の安定供給の面からもリサイクル率は増加すると考えられます。また、米国やEUなどでも亜鉛を含む非鉄金属のリサイクル率を向上させる具体的な取り組みが行われています。
PMI-MASTER Smart(PM2)は可搬型で、倉庫内や屋内外でPMI検査※などに使われる装置です。国内・海外の規格のデータベースを利用し、現場で迅速に合金種判定を行うことができるため、リサイクル時の材料確認等に活用できます。本資料では、PM2によるZn-Al系合金の元素分析例をご紹介します。
※ 金属材料の成分分析により、正しい材質(鋼種など)を確認する検査
亜鉛合金の元素分析
使用装置
| 光学系 | パッシェンルンゲ |
|---|---|
| 焦点距離 | 300 mm |
| 回折格子溝数 | 1774 本/mm |
| 検出器 | マルチCCD |
| 観察波長範囲 | 185~420 nm (スパークプローブの場合) |
| 測定雰囲気 | アルゴンガス |
| 認証標準物質 (CRM) |
42X Z3 J(MBH🄬ANALYICAL LTD) |
|---|---|
| 前処理方法 (切削) |
精密卓上旋盤 Compact 9 (東洋アソシエイツ) 回転速度:100~2500 rpm |
| 分析条件 | 亜鉛合金用分析プログラム |
分析例
- Zn-Al系合金の認証標準物質を10箇所測定し、平均値(Avg.)と相対標準偏差(RSD)を算出しました(表3)。
- 全ての元素において、認証値と同等の結果が得られました。
- RSDは良好であり、精度良く測定できていることが分かります。※2
- 可搬型であるPM2を用いて、現場での迅速なPMI検査を行うことができます。
※2 検出下限値近傍および検出下限値以下の元素は除く。
表3 CRM 認証値および測定結果
(単位:wt%)
