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HPLC Chromaster(クロムマスター)-カラムスイッチングによる前処理の自動化-

生体試料や夾雑成分を多く含む試料を分析する場合、除タンパクや、夾雑成分の除去、濃縮などの前処理が必要になります。前処理操作は、分析結果に大きな影響を与えるため重要な要素になりますが、分析担当者の経験や熟練度によるところが多く、“安定した前処理操作”が期待されています。

前処理方法としては、固相抽出法やカラムスイッチング法が広く使用されています。
Chromasterシステムでは、オプションバルブを用いることで、カラムスイッチング法による前処理の自動化が可能です。 以下に、血清中薬物の分析検討例についてご紹介します。

カラムスイッチングによる血中フェニトイン分析

試料:ヒト血清にフェニトイン標準試料を添加 (遠心分離し上清を注入試料とした)
目的:フェニトイン分析のための前処理自動化検討

* フェニトインは、抗てんかん薬で、有効血中濃度は10~20 µg/mL、血中濃度が20 µg/mL以上で中毒域とされています。

フェニトインの構造と分子量

装置構成:

分析条件:
分析カラム
移動相 (A)50 mM KH 2PO4-K2HPO4(pH6.9)/CH3CN=95/5
(B)CH3CN
*(A)/(B)=65/35
流量 1.0 mL/min
カラム HITACHI LaChrom C18(5 µm)(4.6 mmI.D.×150 mm)
(P/N:891-5050)
カラム温度 40 ℃
検出 210 nm
分析条件:
前処理カラム
移動相 (A)50 mM KH 2PO4-K2HPO4(pH6.9)/CH3CN=95/5
(B)CH3CN
*(A)/(B)=95/5
流量 1.0 mL/min
注入量 20 µL
カラム Mspak PK-4A
(4.0 mmI.D.×10 mm、Shodex)*注1
カラム温度 40 °

*注1カラムスイッチング分析用前処理カラムで、タンパク質は保持せず、低分子のみ保持することを特長としています

装置構成図

カラムスイッチング前処理法の検討

血清中のフェニトイン(抗てんかん薬)を分析する際には、タンパク質などを除去する必要があります。 そこで、前処理カラムを使用することで、タンパク質は除去し、目的成分であるフェニトインだけを分析カラムに導入する方法について検討しました。

前処理自動化から分析までの流れの図解

前処理カラムの条件検討(1)

目的:タンパク質を溶出させる条件を確認

前処理カラムの条件検討のために、タンパク質を溶出させる条件を確認したグラフ
分析条件:
前処理カラム
移動相 (A)50 mM KH 2PO4-K2HPO4(pH6.9)/CH3CN=95/5
(B)CH3CN
*(A)/(B)=95/5
流量 1.0 mL/min
注入量 20 µL
カラム Mspak PK-4A(4.0 mmI.D.×10 mm、Shodex)
カラム温度 40 ℃

結果:タンパク質などがカラムに保持されず、溶出することを確認しました

前処理カラムの条件検討(2)

目的:フェニトインを分析カラムに導入する条件を確認
検討は、フェニトインSTD 10 mg/L(注入量 20 µL)、検出:254 nmで行いました。

前処理カラムの条件検討として、フェニトインを分析カラムに導入する条件を確認したグラフ
分析条件:
前処理カラム
移動相 (A)50 mM KH2PO4-K2HPO4(pH6.9)
(B)CH3CN
流量 1.0 mL/min
カラム Mspak PK-4A(4.0 mmI.D.×10 mm、Shodex)
カラム温度 40 ℃

分析カラムの条件検討

目的:フェニトインが分析カラムに保持され、分離する条件を確認
検討は、フェニトインSTD 10 mg/L(注入量 20 µL)、検出:254 nmで行いました。

分析カラムの条件検討として、フェニトインが分析カラムjに保持され、分離する条件を確認したグラフ
分析条件:
分析カラム
移動相 (A)50 mM KH 2PO4-K2HPO4(pH6.9)/CH3CN=95/5
(B)CH3CN
流量 1.0 mL/min
注入量 20 µL
カラム HITACHI LaChrom C18(5 µm)(4.6 mmI.D.×150 mm)
カラム温度 40 ℃

結果:
フェニトインを、前処理カラムから分析カラムに導入し、分析する条件はA/B=60/40としました。

バルブ切り替え時間の検討

  1. 前処理カラムに血清を導入し、除タンパクにかかる時間を確認。(タンパク質は280 nmで検出)
    →今回は、バルブ切替え時間は5分に設定。
  2. 先の前処理カラム条件検討の結果、移動相の濃度を決めました。
前処理カラムに血清を導入し、除タンパクにかかる時間を確認し、バルブ切り替え時間を5分に設定したことがわかったグラフ
バルブ切り替え時間の図解

カラムスイッチングによる分析結果

試料:ヒト血清にフェニトイン標準試料(10 µg/mL)添加*遠心分離後上清を注入

フェニトイン標準試料とヒト血清にフェニトイン標準試料を添加したクロマトグラム
血清に添加したフェニトインの検量線のデータ
血清に添加したフェニトインの検量線(1~50 µg/mL)

今回の前処理自動化による、フェニトインの回収率は、85.3 %、10 µg/mLでの溶出時間の再現性はCV:0.04 %、面積値の再現性は、CV:1.91%となりました。
フェニトインは、有効血中濃度が10~20 µg/mL、血中濃度が20 µg/mL以上で中毒域とされており、本方法で精度よく、分析できることが確認できました。

注意:本掲載データは測定例を示すもので、数値を保証するものではありません。
本製品は研究用です。診断用ではありません。

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