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HPLC Chromaster(クロムマスター)
-脂溶性ビタミン類の一斉分析-

ビタミンは必須の栄養素であり、脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンに区分されます。主な水溶性ビタミンには、ビタミンB群、ビタミンCなどが、主な脂溶性ビタミンには、ビタミンA、D、E、Kなどがあります。今回は脂溶性ビタミン7成分を逆相カラムで一斉分析し、DADで検出しました。DADを用いることで、最適波長における高感度一斉分析が可能です。さらに、検出されたピークは吸収スペクトルによる同定を行うことが可能となるため、食品のような夾雑成分の多い試料には特に有効です。
ご紹介した一斉分析は、定性が目的の場合にご使用ください。 ビタミンは不安定な成分もあるため、定量分析には各ビタミンの個別試験法に沿った前処理と測定条件での分析をお勧めします。

脂溶性ビタミン類の一斉分析

標準試料:濃度と構造式

成分名 濃度

ビタミンA(レチノール)

1 mg/L

ビタミンAアセテート(酢酸レチノール)

10 mg/L

ビタミンD2(エルゴカルシフェロール)

10 mg/L

ビタミンD3(コレカルシフェロール)

10 mg/L

ビタミンE(dl-α-トコフェロール)

100 mg/L

ビタミンEアセテート(酢酸dl-α-トコフェロール)

100 mg/L

ビタミンK1(フィロキノン)

10 mg/L
  • 標準原液は、エタノールで希釈
  • 標準溶液は、標準原液をメタノールで希釈
脂溶性ビタミン類の構造式

分析条件:

カラム

HITACHI LaChrom C18(5 µm)(4.6 mmI.D.×250 mm)

溶離液

CH3CN/CH3OH = 60/40 (v/v)

流量

1.0 mL/min

カラム温度

40 ℃

検出

DAD 265、280、325 nm

注入量

10 µL

装置構成:

Empower2 データ処理システム

標準試料測定例:

等高線表示と抽出クロマトグラム
等高線表示と抽出クロマトグラム
脂溶性ビタミンのスペクトル
脂溶性ビタミンのスペクトル

直線性:

VAの検量線とVEの検量線

検量線の範囲は、VA 0.01~10 mg/L、VAアセテート・VD2・VD3・VK1 0.1~100 mg/L、VE・VEアセテート1~1000 mg/Lいずれも、r2 = 0.9999以上と良好な直線性が得られました。

試料分析例(1):目薬

目薬の前処理法
[目薬の前処理法]
試料をメタノールで10倍希釈し、0.2 µmフィルタでろ過
検出された各ピークと標準試料のスペクトル
[目薬の前処理法]
試料をメタノールで10倍希釈し、0.2 µmフィルタでろ過

試料分析例(2):サプリメント

サプリメントの前処理法
サプリメントの前処理法
試料 0.1 gを秤りメタノールで10 mLに定容し、0.2 μmフィルタでろ過
検出された各ピークと標準試料のスペクトル
検出されたピークと
標準試料のスペクトル
ビタミンE
天然:d-α-トコフェロール
植物油から抽出、そのまま安定化させたもの
天然型: 酢酸d-α-トコフェロール
植物油から抽出、安定化させるために酢酸をつけたもの
合成: 酢酸dl-α-トコフェロール
化学的合成により製造したもので生理活性は合成<天然型<天然の順に高くなる
結果:
目薬からはビタミンAとビタミンEアセテートが、サプリメントからはビタミンEが検出されました。各ピークは標準試料のスペクトルと比較し、高い一致度が得られました。目薬のVAのように濃度の低い成分でも十分な定性ができています。医薬品としてのビタミンEには、天然/天然型/合成と3つのタイプがありますが、製品によって使い分けられていることがわかります。

注意:本掲載データは測定例を示すもので、数値を保証するものではありません。
本製品は研究用です。診断用ではありません。

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