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HPLC Chromaster(クロムマスター)
-第十六改正日本薬局方収載医薬品の測定例(イソロイシン・ロイシン・バリン顆粒)-

2011年4月に施行された第十六改正日本薬局方では、イソロイシン・ロイシン・バリン顆粒の確認試験にはコンベンショナルなカラムを用いて HPLCで測定することが定められています。またその定量分析にはポストカラムニンヒドリン法を使用して測定することが定められています。
ここでは日立高速液体クロマトグラフChromasterとL-8900形日立高速アミノ酸分析計を用い、薬局方に準拠した測定条件で確認試験と定量分析をおこない、システム適合性などの規定値と測定値を比較しました。

Chromasterによる確認試験

-

各成分の濃度

成分名 濃度(mg/mL)
Val:バリン 1.10
Ile:イソロイシン 0.92
Leu:ロイシン 1.84

測定条件:

カラム HITACHI LaChrom C18(3 µm) (4.6 mm I.D. × 150 mm)
溶離液 (A)/アセトニトリル=970/30(v/v)
流量 0.9 mL/min
カラム温度 40°C
検出波長 UV 210 nm
注入量 20 µL
*(A)
りん酸二水素ナトリウム二水和物31.2 gを水1,000 mLに溶かし、りん酸を加えてpH 2.8に調整する。
*
バリンの保持時間が約2.5分になるように流量を調整する。

試料の調製法:
L-イソロイシン92 mg に相当する量を秤り、溶離液に溶かし100 mLとする。
0.45 µmのフィルターでろ過し、注入試料とする。

確認試験
確認試験で求められているシステム適合性は以下のとおりで、その要求値を満たす結果が得られました。
また確認試験の要求事項である「ピークの保持時間が等しいこと」も以下のように確認できました。

標準試料のシステム適合性:

項目 システム適合性要求値 測定結果
システムの性能 溶出順 Val、Ile、Leuの順 OK
Ile-Leuの分離度 1.5以上 2.55
システムの再現性 各ピーク保持時間の
相対標準偏差(n=6)
1.0%以下 0.05%(Va)
0.09%(Iie)
0.09%(Leu)

確認試験結果:

項目 要求事項 標準試料の保持時間(min) 試料の保持時間(min)
Val:バリン 試料の保持時間(min) 2.51 2.50
Ile:イソロイシン 4.11 4.09
Leu:ロイシン 4.51 4.50

* 本分析試料は、慶應義塾大学薬学部創薬物理化学講座よりご提供いただきました。

L-8900による定量法

-

各成分の濃度:

成分名 注入試料中の濃度
(ng/20 µL)
Gly:グリシン(内標準) 400
Val:バリン 960
Ile:イソロイシン 800
Leu:ロイシン 1,600

標準分析法測定条件:

カラム #2622PH 4.6 mm I.D. × 60 mm
アンモニアフィルタカラム
#2650L 4.6 mm I.D. × 40 mm
溶離液 MCI緩衝液L-8500 PH-Kit*
流量 0.4 mL/min
カラム温度 57°C
反応液 ニンヒドリン試液ワコーアミノ
酸自動分析装置用キット
(識別記号:日立用)*
反応液流量 0.35 mL/min
反応温度 130°C
検出波長 VIS 570 nm
注入量 20 µL
*(A)
販売元:和光純薬工業株式会社

試料の調製法:
L-イソロイシン0.95 gに対応する量を秤り、内標準液(グリシン)*10 mL を加え、0.1 mol/L 塩酸試液に溶かし250 mLとする。この液を2 mLを量り、0.02 mol/L塩酸試液を加えて200 mLとし、0.2 µmのフィルタでろ過後、試料溶液とした。

* 内標準液グリシンの0.1 mol/L 塩酸試液溶液(1 g/20 mL)

定量法
定量法で求められているシステム適合性は以下のとおりで、要求値を満たす結果が得られました。またその定量結果も参考までに示します。
なお、測定条件に記載の市販の試薬(溶離液・反応液)は、薬局方に規定された組成と同じであるため 調製の必要がなくそのままご使用いただけます。

標準試料のシステム適合性:

項目 システム適合性要求値 測定結果
システムの性能 溶出順 Val、Ile、Leuの順 OK
Ile-Leuの分離度 1.2以上 1.37
システムの再現性 内標準(Gly)と
各ピークの面積比
相対標準偏差(n=6)
1.0%以下 0.09% (Va)
0.17% (Iie)
0.09% (Leu)

確認試験結果:

成分名 含有量/表示量×100(%)
要求値 測定結果
Val:バリン 93.0 - 107.0 100.3
Ile:イソロイシン 98.4
Leu:ロイシン 100.4

本分析試料は、慶應義塾大学薬学部創薬物理化学講座よりご提供いただきました。
注意:本掲載データは測定例を示すもので、数値を保証するものではありません。
本製品は研究用です。診断用ではありません。

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