ページの本文へ

日立ハイテク
  1. Home
  2. 技術情報
  3. 分析装置:テクニカルサポート
  4. 液体クロマトグラフ(HPLC、アミノ酸分析計):テクニカルサポート
  5. ChromasterUltra Rs -測定例-
  6. HPLC Chromaster(クロムマスター)-有機酸分析の紹介(Chromaster BTBポストカラム法)-

HPLC Chromaster(クロムマスター)
-有機酸分析の紹介(Chromaster BTBポストカラム法)-

食品に含まれる有機酸は、味や風味に大きな影響を与え、発酵過程における品質管理にも役立っています。また有機酸は食品以外にも測定対象となる試料が多く、医薬品、培養液、メッキ液、化粧品など多岐にわたります。
今回は、日立有機酸分析システム(BTB*ポストカラム法)を紹介いたします。pH指示薬であるBTBは、酸性成分の溶出により吸収スペクトルが変化します。その変化を440 nmで検出するため、夾雑成分の影響を受けにくい選択性の高い手法です。分離には、陽イオン交換樹脂を用いたイオン排除モードを用います。ODSなどに比べ多成分の有機酸を一斉に分離できることが特長です。
なお、有機酸とは弱酸性の有機化合物の総称ですが、カルボキシル基(-COOH)を1つ以上持つものを指すことが多く、カルボン酸とも言います。ここでは主にC1~C6のカルボン酸を対象としています。

* BTB:ブロモチモールブルー(Bromothymol Blue)

有機酸分析システム(BTBポストカラム法)

有機酸分析システム

有機酸標準試料測定例(BTBポストカラム法)

有機酸標準試料測定例
測定条件:
カラム GL-C610H-S
7.8 mm I.D.×300 mm
ガード
カラム
GL-G-C600
4.0 mm I.D.×10 mm
溶離液 3 mmol/L HClO4
(過塩素酸)
流量 0.5 mL/min
カラム
温度
60℃
反応液 BTB溶液
反応液流量 0.6 mL/min
検出波長 VIS 440 nm
注入量 10 µL

標準試料名:

No. 成分名 No. 成分名
1 クエン酸 Citric acid 8 ピログルタミ酸 Pyroglutamic acid
2 酒石酸 Tartaric acid 9 プロピオン酸 Propionic acid
3 リンゴ酸 Malic acid 10 イソ酸 Isobutyric acid
4 コハク酸 Succinic acid 11 n-酪酸 n-Butyric acid
5 乳酸 Lactic acid 12 イソ吉草酸 Isovaleric acid
6 ギ酸 Formic acid 13 n-吉草酸 n-Valeric acid
7 酢酸 Acetic acid      

検量線(各50 ~10,000 mg/L)

クエン酸・酒石酸・酢酸
  

13成分の検量線は、50 ~10,000 mg/L の範囲で寄与率0.9997 ~0.9998と、良好な直線性を示しました。

ジュース中の有機酸測定例(BTBポストカラム法)

ジュース中の有機酸測定例

試料の前処理

試料の前処理
リンゴジュースとトマトジュース有機酸測定例

ジュースに含まれる有機酸の測定例を示します。ピログルタミン酸までの有機酸を測定しました。標準試料8成分を用い、約25分で測定をおこなうことができました。有機酸を選択的に検出できるため、微量の有機酸も妨害なく測定することができます。

注意:本掲載データは測定例を示すもので、数値を保証するものではありません。
本製品は研究用です。診断用ではありません。

関連情報

お問い合わせ

関連コンテンツ