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HPLC Chromaster(クロムマスター)
-有機酸分析の比較(Chromaster BTBポストカラム法とUV直接検出法)-

この方法は、反応液としてpH指示薬(BTB)の塩基性溶液を用い、カラムから溶出した有機酸の解離変化をpH指示薬の吸収スペクトル変化で検出(440 nm)しています。そのため、天然物や醸造食品など夾雑成分が多い試料中の有機酸を選択的に分析できる方法です。
一方、有機酸はカルボキシル基をもつため、210 nm付近に吸収があります。これを利用して、UV 210nmで直接検出することも可能です。今回は醸造食品中の有機酸をBTBポストカラム法およびUV直接検出法(210 nm)にて測定し、夾雑成分の影響を比較した分析例をご紹介いたします。

* BTB:ブロモチモールブルー(Bromothymol Blue)

有機酸分析システム

有機酸分析システム

有機酸標準試料測定例

測定条件:
カラム GL-C610H-S
7.8 mm I.D.×300 mm×2本
ガードカラム GL-G-C600
4.0 mm I.D.×10 mm
溶離液 5 mmol/L HClO4
(過塩素酸)
流量 0.5 mL/min
カラム温度 40℃
注入量 10 µL
UV検出法:
検出波長 UV 210 nm
BTBポストカラム法:
反応液 BTB溶液
反応液流量 0.6mL/min
検出波長 VIS 440 nm
標準試料名:
No. 成分名 濃度(mg/L)
BTB法 UV直接法
1 リン酸 200 -
2 α-ケトグルタル酸 200 20
3 クエン酸 200 100
4 酒石酸 200 100
5 リンゴ酸 200 200
6 コハク酸 200 200
7 乳酸 200 200
8 ギ酸 200 200
9 酢酸 200 200
10 ピログルタミン酸 200 20

調味料中の有機酸測定例(BTBポストカラム法とUV直接検出法の比較)

UV直接検出法とBTBポストカラム法
UV直接検出法とBTBポストカラム法
  

カルボキシル基をもつ有機酸の紫外吸収は210 nm付近に限られます。しかし、この波長領域では多くの有機物が吸収をもつため、試料によっては夾雑成分の妨害を大きくうけ有機酸の定性や正確な定量が困難となります。
上記に純りんご酢、米黒酢、味付けポン酢、濃口醤油の測定例を示します。

赤ワインにはアントシアニンなどの色素成分が多く含まれるため、UV直接検出法による測定では色素成分の妨害をうけ有機酸を精度よく定量することが困難です。アントシアニンなどの色素成分は、前処理に固相抽出カラム(NOBIAS RP-OD1L)を用いることで、簡易的にかつ効率よく除去することが可能です。これにより、UV直接検出法にて赤ワイン中の有機酸を精度よく分析することが可能となります。

ワイン中の有機酸測定例
(UV直接検出法(固相抽出有無)およびBTBポストカラム法の比較)

UV直接検出法(固相抽出有無)およびBTBポストカラム法の比較

試料の前処理/固相抽出無し:
純水で5倍希釈後、ろ過

試料の前処理/ 固相抽出:

試料前処理のフロー

赤ワイン処理後の
NOBIAS RP-OD1L:

赤ワイン処理後のNOBIAS RP-OD1L
  

*固相抽出カラム(NOBIAS RP-OD1L)を用いた前処理の詳細は、会員制サイトS.I.naviに登録されているデータ(LC100008:赤ワイン中の有機酸の測定(フィルタろ過とNOBIAS処理の比較))を参照ください。

本掲載データは測定例を示すもので、数値を保証するものではありません。
本製品は研究用です。診断用ではありません。

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