ポリプリピレンブロックコポリマーの位相測定

ジャンル | 有機・高分子 |
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モード | Phase |
測定領域 | 約3.5µm |
ステーション | AFM5000 |
装置 | AFM5100N |
解説




Fig.1 位相測定の原理

Fig.2 ブロックPPの形状像(左)と位相像(右)
位相(Phase)モードは、DFM動作時のカンチレバー振動の位相を検出、画像化しています。探針先端が試料表面と相互作用すると、この位相が変化します。 特に、吸着が作用する場合や、試料が比較的軟らかい場合は位相が遅れます。Fig.1の原理図のように、レバーへの入力正弦波に対する、レバー振動の正弦波の遅れを検出、画像化したものが位相像になります。
ポリプロピレン(PP)ブロックコポリマーは、マトリックスPPの中にエチレンプロピレンラバー(EPR)のドメインが分散した、いわゆる海島構造のポリマーアロイです。 硬くて比較的脆いポリプロピレン中にやわらかいゴム(EPR)が分散しているため、耐衝撃性に優れ、自動車産業における構造材量(バンパーなど)等に使用されています。
Fig.2は、DFM測定による形状像と同時測定した位相像です。やわらかいゴム(EPR)の部分が、選択的に位相が遅れ、明るく表示されています。
引用文献:
(1) 大久保信明, 山岡武博, 熱測定 28 (2001) 38-39
関連文献:
2001年SPM国際学会発表 N. Okubo and T. Yamaoka:Tokyo-2001, SPM, Sensors and Nanostructures,Abstracts(2001)62
2001年SPM国際学会発表資料