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Y字型パーマロイ規則配列のMFM観察(1)

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東京農工大学 山本尚弘、佐藤勝昭
株式会社日立ハイテクサイエンス

ジャンル マグネティックス
モード MFM
ステーション NanoNavi
装置 E-sweep

解説

(a) Topo     (b)MFM

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Fig.1 MFM images of the linearly aligned arrays.

(a) Topo     (b) MFM.

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Fig.2 MFM images of the honeycomb arrangement.

東京農工大学 佐藤勝昭研究室では、スピンエレクトロニクスに向けた磁性体微細構造作製法の開発、そのスピン構造の研究が行われています。特に、ダマシン法を利用した磁性体埋め込み構造の作製法を研究し、試料表面の高い平坦性を得ることが可能となりました。今回、電子線リソグラフィと化学的機械研磨(CMP)を用いたダマシン法により、Si(100)基板上に長さ1.4μm、幅300nm、深さ130nmの3本の腕を持つY字形状のパーマロイ規則配列を作製しました(1~3)。 低モーメント探針及び真空中Q値制御による高分解能MFM(4)で観察した結果をFig.1,2に示します。

Fig.1に示す直線配列の場合、1個1個のY字パターンはお互いに離れた位置にあります。このように、お互いの相互作用が弱いと考えられる系では、Y字1個の構造内で安定な磁化配置となり、その結果、外部磁場に直交した腕部分には互いに逆回転した横並びの還流磁区構造が現れています。LLGマイクロ磁化シミュレーションからも同様の磁化構造を確認することができました(1~3)。

一方、Fig.2に示す蜂の巣状配列の場合は、1個1個のY字パターンが非常に近接した、対称的な配列であり、お互いの相互作用が強く働くと考えられる系です。そのために、還流磁区の横並び構造が、外部磁場と直交する腕に現れるよりも、Y字の腕全体が単磁区となり、系全体で安定な磁化配置をとっていることがわかりました(1~3)。

なお、タイトル画像はAFM5000の新機能<形状像と物性像の重ね合わせ>を応用しています。モノトーンの形状像に、赤(N極側)から青(S極側)へと変化するグラデーションの磁気像を重ね合わせた画像です。

引用文献:

  1. 山本尚弘, 町田賢司, 山岡武博, 石橋隆幸, 佐藤勝昭: 日本応用磁気学会誌, 30 (2006) 162.
  2. Kenji Machida, Takahiro Yamamoto, Takehiro Yamoka, Takayuki Ishibashi and Katsuaki Sato: Magnetic Structure of Y-shaped Permalloy-Arrays Fabricated Using Damascene Technique; Jpn. J. Appl. Phys. 45 Part 2 (2006) 265-267
  3. K. Sato, T. Yamamoto, T. Tezuka, T. Ishibashi, Y. Morishita, A. Koukitu, K. Machida, T. Yamaoka: MFM observation of spin structures in nano magnetic dot arrays fabricated by damascene technique;J. Magn. Magn. Mater.(in press).
  4. 山岡武博、 渡辺和俊、 白川部喜春、 茅根一夫、 日本応用磁気学会誌、 27 (2003) 429.

関連文献:

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