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日立ハイテク
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Crosstalk

役員×中堅×若手
三世代クロストーク

私たちにしかできないサービスってなんだろう?

「これまでのサービス」「現在のサービス」そして「これからのサービス」……。
三世代それぞれの立場から、忌憚のない意見を交わしてもらいました。

出席者紹介

吉田 秀昭よしだ ひであき

取締役
産業サービス本部長

1986年入社

杉浦 聡すぎうら さとし

関西支店
評価装置課 主任技師

2003年入社

岡 希美おか のぞみ

東京支店
解析装置一課 課員

2018年入社

自己紹介

杉浦

まずは、自己紹介から始めましょうか。

では私から。2018年入社の岡です。東京支店の解析装置一課でサービスをやっています。担当装置は電子顕微鏡で、東京と神奈川県川崎市周辺のエリアで装置の据付・メンテナンス・不具合対応などの作業をしています。日程調整の管理も任せてもらえるようになったので、いろいろバリバリやらせてもらっています。

杉浦

関西支店評価装置課の杉浦です。2003年の入社以来、評価装置のサービス一筋です。2006年に海外事業推進部に配属されて、2008年から台湾に5年、2016年からシンガポールに2年駐在していました。現在は関西支店で、半導体製造工場のお客様に、予防保全・据付・保守・トラブル対応といったサービスを行うエンジニアをまとめて工程を組み、作業を進める主任技師をしています。

吉田

私は1986年入社で、……岡さん、86年ってまだ生まれてないよね?

はい(笑)

吉田

だよね。最初は大阪に配属になり、1994年からアメリカに7年半駐在して、シンガポールにも約4年いました。日本に戻ってからは、本社の計測制御部で仕事をして、関西支店で課長、北海道支店で支店長を務めました。今は、産業サービス本部のトップを務めさせてもらっていて、全国に約140人の部下がいます。支店管轄の役員でもあるので、各拠点に足を運んで情報を集めたり、何か問題・課題が発生していないかを確認したりもしています。

THEME 01昔はどんなふうに
仕事をしていたのですか?

杉浦

吉田さんの若手時代と今とでは、会社もだいぶ変わったと思うんですけれど、いかがですか?

吉田

うちはエンジニアも管理部門も非常に真面目な方が多くて、実直にいろんなことに取り組むところは、昔も今も変わらないところかな。それは良いところだし、伸ばしていかないといけないと思う。

杉浦

すごく真面目な感じはありますよね。

吉田

以前は「お前らついてこい!」みたいなところもあったんだけど、それもここ10年、15年で変わったよね。

杉浦

そうですね。エンジニア教育も、今はプログラムを組んでしっかりやっていますけど、昔は「ノウハウは先輩の背中を見て覚えろ」みたいな(笑)。マニュアルもあるんだけど、どちらかというと、先輩の仕事を見て覚えることが多かったです。

吉田

苦労もしたけど、いい勉強にはなったよね。

先輩の背中を見て覚えるというのは、今もあまり変わらないと思います。基礎的な教育はきちんとしてもらった上で、その先は基本的にOJT(On-the-Job Training)で覚えてね、という。

杉浦

昔は「とにかくすぐ来て修理して!」っていうお客様も多かったですよね。

吉田

「とりあえず来い!」みたいな(笑)。

当時はそれに対応していたんですか?

吉田

そうそう。とりあえずある部品を全部持って行って、違ったらまた別のものを持って行って。

杉浦

今は、二度手間にならないようにしっかり準備してきてほしい、きちんとした品質でやってくれる方がありがたい、という方向にシフトしていますね。お客様側の担当者が帰っちゃうから今日はここまで、また明日、っていうこともあります。

吉田

そうなの?

「もうすぐ帰るので今からは来ないでください」って言われちゃいますね。

吉田

仕事の環境面で一番変わったなと思うのは、連絡手段かな。昔は携帯電話もなかったし、PCも1人1台ではなかったから大変だったね。

電話は、やっぱり10円玉を持って?

杉浦

そうそうそう。公衆電話に行列ができてた。

吉田

海外にいた頃は、何をやるにしてもワープロで打って出力したものをFAXで送るから、自宅にFAXを買ったのよ、わざわざ。そうしたら、日本から時差を考えずにFAXが送られてきて、夜中にFAXを受信する音で何回も起こされたな(笑)。それを思うと、今は少し探せば情報が何でも出てくるから便利だけど、情報を選別する能力が必要になってきたね。

杉浦

情報があふれていますもんね。現場でも、昔は自分で頭をひねって考えていたことが、すぐ相談できてリアルタイムで回答が来るので、その辺りは恵まれているとは思います。

吉田

便利になったところもあるし、便利になりすぎて仕事が増えていくこともあるから、どっちが良いんだろう、っていう気もするね。

杉浦

吉田さんは、岡さんぐらいの時に何かチャレンジされた思い出はありますか?

吉田

私が7、8年目のころは、もうアメリカ駐在だったな。

早い!

吉田

前任者よりひと回り年齢が下だったから、お客様は「お前が来て何ができるの?」みたいな感じだった。計器が古く老朽化して信頼性に問題が多々あり、新しい計器への更新が急務。計測制御部ではモノを売れる環境にもなっており、お客様設備・装置の安定稼動のためにモノをうりまくったね(笑)。いろんなことにチャレンジさせてもらったし、成果を出すために努力もしました。岡さんは、海外出張に行ったことはある?

まだないです。以前アメリカ出張の予定があったんですけど、いろいろあって流れちゃって。

杉浦

せっかくのチャンスが残念だったね。

元々、海外に行きたいという目標があって入社したので、海外にはチャレンジしたいですね。

THEME 02当社の強みと弱みって
なんだろう?

お二人は、仕事のやりがいをどんな時に感じられますか?

吉田

エンジニア時代は、お客様に認めてもらうとか、モノを買ってもらうとか、装置が直ったとか、そういったことがやりがいでした。今はやりがいがありすぎて……(笑)。若い頃、上司に「役職が上がったら、自分がやりたいことへの障害が低くなるから、少しでも自分がやりたいことをしたいのであれば、役職を上げろ」という話をされた記憶があって、まさに今、責任も重いんだけどやりがいもたくさんあるね。

杉浦

私も以前は現場での一連の作業の中で喜びを感じることが多かったんですけど、今はお客様から相談を受けることもうれしく感じるようになりました。うちはメーカー直轄のサービスなので、お客様も「メーカーだから最終的に何とかしてくれる」っていう期待を持って相談してくれていると思うんです。その期待にしっかり応えて一緒にやっていく形を作れていることに、すごくやりがいを感じています。

吉田

岡さんのやりがいは?

お客様から「岡さんに来てほしい」って指名してもらえることが増えて、そう言ってもらえると頑張ってよかった、もっと頑張ろうと思いますね。「今回は伺えないんです」とお返事すると、「次は来てね」と言っていただけたり。それはすごくやりがいになっています。

吉田

今、東京の解析に岡さんっていう輝いてる人がいるよ、という話は聞いてるよ。

あ、うれしいです! ありがとうございます。直接面識のない方にも「岡って聞いたことがある」って言ってもらえるようになりたいと思って仕事をしてきたので、これからも頑張ります。

吉田

ぜひ頑張って! ところで2人は、今の日立ハイテクフィールディングの強みや課題はどんなところに感じている?

杉浦

お客様はエンジニアを選べないので、誰が行っても同じ品質のサービスを提供することが一番大事だと思っているんです。そのためには教育が重要なんですけど、その教育のスピードがなかなか上げられないというのは、今課題として感じています。エンジニアとして一人前になるためのステップを、どれだけスピード感を持って踏ませてあげられるか。お客様に安心してエンジニアを受け入れてもらうために、できるだけ早く若手のメンバーを育てることを頑張っていきたいなと。

吉田

最近、採用面談をすると「どういう教育カリキュラムがありますか」「教育はどんな体制でやってますか」とよく聞かれるんだよね。

杉浦

入社前からそういうところを気にされる方が多いんですね。

吉田

そうだね、社内教育を重視する人が増えている実感はあるね。1人で作業することへの心配もあると思うんだけど。

今、トレンドは複数人作業みたいですね。1人で行きたくない、っていう人が多いらしくて。上司や先輩と一緒に行くと安心感が全然違うので。

吉田

特に新入社員や若い人はね。

若手と先輩が一緒に現場に行く時、杉浦さんはどんな指示をされていますか。

杉浦

基本的には、若手にはお客様と会話させるようにしています。自分の言葉でちゃんと説明して、報告もさせる。作業も「それは違うよ」というところだけ先輩に手を出してもらうようにしているけれど、そうすると時間はかかるんですよね。お客様の限られた時間の中でやるには、加減が難しい。

私は今、若手への技術力の伝承があまりうまくできてないんじゃないか、という不安を感じているんです。私がいる解析装置部門は、30~40代の中間層が少なくて……。

吉田

全社的にそうだよね。真ん中の世代が少ない。

メインで不具合対応や調査に行ってくださるのが中間層より上の世代で、下の世代は簡単なものや保守メンテナンスが中心なんです。このまま上の世代が引退してしまうと、その方々が担当していた仕事に必要な技術力が、若手に伝わらないまま失われちゃうんじゃないかという心配があって。そのあたりは、どう考えればいいんでしょうか。

吉田

理想を言えば、1から10まで全ての仕事を全員がこなせるのが一番良いし、それに越したことはないんだけど、現実的には難しいところがある。これからは得意分野を生かした分業制のような形を取らないと、仕事が回らないんじゃないかということは、よく議論しています。つまり、会社全体として今の品質を保ったり、もっと良くすることを考えたりすれば良くて、全員が全ての業務をこなす必要はなくなっていくのかもしれないね。

なるほど、分業制ですか。

吉田

うちの会社の人は真面目で実直な反面、なかなか融通が利かないというか、柔軟に対応できない、保守的でチャレンジする人が少ないという部分もあるよね。

杉浦

「今ある環境の中でできる限りのことをする」みたいな風潮は、あるような気がしますね。「チャレンジした者負け」みたいな雰囲気になってしまう時も……。

吉田
杉浦

(笑)

吉田

「チャレンジした者負け」っていう言葉は、ちょっとショックだったな。そんなふうに若い人が萎縮しないように、経営陣としては気をつけないといけないね。2027年に向けての中期経営計画を検討する中で、「やっていくこと」「やめること」の議論をしたんだけどね。今までは、たとえば一つ事故が起こると、再発防止のためにこれもやらないと、あれもやらないと、でどんどん仕事が増えていた。でも、そこは変わっていくべきだと思っていて、新しいことにチャレンジする時間をつくるには、今までの仕事を減らすことも考えていかないといけない。

最近、上層部の方が「変革していくぞ」っていう意欲があるのは感じます。私の部署でも、チャレンジングなアイデアが出たときに、そこにお金使っても大丈夫、失敗したら勉強代だ、みたいなことを言われていて、うれしかったです。

吉田

岡さんは東京にいるからそういう情報も耳に入りやすいけど、地方拠点にいると、特に若い人はそういう動きが見えないよね。私はもちろん、支店長、課長、主任技師が架け橋になって、経営陣が10言ったことが10伝わるような会社にしたい。伝わるだけじゃなく、岡さんみたいに実感できるようにしていきたいね。

吉田さんが拠点に来てくださったこともありましたが、その時若手は現場に出ていて、直接会話する時間が少なかったと思うんです。巡回のタイミングで若手との時間も作っていただけると、上層部の方をもっと身近に感じられるのかなって思いました。

吉田

なるほど、そうだよね、これから心がけるようにします。岡さんから見て、うちの強みはどこだと思う?

「保守的」って確かに良くない面もあるし、私自身その融通の利かなさに腹が立った時もあったんですけど(笑)、お客様は高い装置を「日立さんだから」と買ってくださるんですよね。それは、保守的だからこそ維持されてきた品質への評価なんだろうなと、キャリアを重ねてきて思うようになりました。そこは強みだと思います。でも、これから変えていかないといけない部分でもあると思うので、良いとこ取りをしたいですね。

THEME 0310年後、
どうなっていたいですか?

吉田

昔も今もこれからも、お客様とのコミュニケーションの中で、お客様が何に困っているかを引き出し、潜在的なニーズをつかむ力は必要だと思います。2人は、お客様との会話でどういうことに気をつけているのか、聞かせてもらえますか?

杉浦

私は、お客様の工場の生産状態は必ず聞きます。今どういう稼動状況で、どんな計画を持っているか。何が始まっていて、これから稼動が増えていくのか、今のままか下がるのか。そういう話をいろんなお客様から集めて、将来的な計画を立てるようにしていますね。その過程でお困り事は必ず出てくるので、来年度に向けてこういう内容でやっていきましょう、というプランを考えるようにしています。

吉田

半導体工場は生産している物によって差があるから、お客様の生産状況と中長期的な話を聞くのは、良いと思うね。岡さんはどうですか?

お困り事を聞くと、本当に隠れたニーズが多々あるんですけれど、それをフィードバックしても実現が難しいことも多くて、時間がかかるなと感じています。

吉田

杉浦さんとはお客様の分野も全然違うし、難しいところもあるよね。

装置としては似たところがあると思うので、もっとエンジニア同士も情報交換して、良いところを取り込めるタイミングがあればいいですね。

杉浦

そういう時間が、全然ないんですよね(苦笑)。

そうなんです、目の前の仕事のことばかりで……。今は事務所がフリーアドレスになって、ほかの部門の方と話す機会が増え、多少情報交換ができているので、作業も一緒に行ったりできればいいのに、とは常々思っています。

吉田

2人は、5年後、10年後の自分や会社がどうなっていたら良いと思いますか?

5年後……。想像がつかないですね、この7年も早かったですし。

吉田

5年なんてすぐだよ?

杉浦

あっという間ですよね(笑)。

個人的な目標としては、できれば東京にいて後輩たちを育てていきたい、上の人に安心して仕事を任せてもらえるような基盤づくりをしたいと思っています。将来的には、海外駐在もしたいですね。

吉田

東京にこだわるのはどうして? いろんな拠点を回ることで勉強できることも多いと思うんだけど。

転勤したくない、ということではないのですが、せっかく東京で築き上げてきたお客様との信頼関係を失ってしまうのが、もったいないなと思ってしまうんです。

吉田

でもさ、岡さんがもう一歩ステップアップするために、いろんな経験をしてほしいなっていう期待があるよ。拠点のエンジニアには、東京とは違う苦労があるからね。

きっとすごく勉強になるとは思っています。できるかどうかの自信がまだないんですけど……。

杉浦

東京での岡さんの後継者になる人を育てるのもミッションじゃない?

たしかにそうですね。みんなが同じクオリティの仕事ができることは大切ですし、私ではないエンジニアが行っても、お客様が安心してくださらないといけないですよね。

吉田

杉浦さんは、5年後、10年後はどうなっていたい?

杉浦

お客様とずっとつながっていたい、というところは5年先10年先も変わらないと思います。半導体事業は産業の最先端を担う分野なので、最先端ならではの課題がこれから先も生まれてくると思うんです。その課題をクリアしながら、装置の安定稼動を通してお客様の生産体制を支えることが、我々の重大なミッションだと思っています。

吉田

杉浦さんが言うように、私もお客様との関係は今まで通りしっかり築いていってほしい。それに加えて、5年後10年後は、収益源が、ハードウェアからソフトウェアがメインとなり、またお客様へデータ活用をした付加価値の提供が重要になってくると思っていて、ソフトウェアの部分で新しいサービスを見出していかなければならないんじゃないか。新しいビジネスって、100個チャレンジしてようやく1個か2個当たるかどうかだから、みなさんからもっともっと「こうしていきたい」という新しいアイデアが生まれてほしい。追われてやる仕事よりも、攻める仕事の方が楽しくない?

そうですね。どうしても目の前の仕事で精一杯になってしまうので、先のことを考える時間をつくりたいですね。

吉田

自分たちが「こうやりたいんだ」と意思を持って取り組む仕事の方が、絶対に面白いよね。そのために、会社も変わらないといけないと思うし、みなさんのマインドも変わっていってほしい。一緒に頑張っていきましょう。

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