History
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2024年度時点の本社29部門・全国10支店の
これまでの歩み、トピックス、今後の展望をご紹介します。※株式会社、財団法人、社団法人、国立大学法人等の記載は省略しています。
Beam Technology Systems Dept.
解析装置部の主な取り扱い製品は、日立ハイテク社製透過電子顕微鏡(TEM)、走査電子顕微鏡(SEM)、集束イオンビーム加工観察装置(FIB、FIB-SEM)、フォトマスクリペア装置(MR)、走査プローブ顕微鏡(SPM、AFM)、ナノ3D干渉計測システム(CSI)である。さらに、これら製品の利便性の改善を目的とした、当部独自のソリューション製品がある。
1965年の当社創業以前より解析装置は国内外に納入されており、理器サービス課の一部としてスタートした。
1970年3月に理器部電子装置課、1981年3月に電装部と部格化、2018年電子顕微鏡部と名称を変更し、2021年4月日立ハイテクサイエンスBTサービス部の統合により、那珂地区製品を扱う電子顕微鏡一部、富士小山地区製品を扱う電子顕微鏡二部の二部体制とした。翌2022年二部門を統合し解析装置部とし現在に至る。
また、2019年に発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により解析装置部も顧客対応への影響を大きく受けたが、2021年以降段階的に整流化を図り、顧客事業への影響を最小限にとどめることができた。
ここ10年の国内動向として、半導体製造業は、メモリの需要等により多少の変動はあるものの成長が継続し、主にTEM、FE-SEM、FIB-SEMの需要が継続している。併せてオートモーティブ関連では、電気自動車及びハイブリットカーの増加に伴うリチウムイオンバッテリー(LiB)の需要増加により、研究、製造におけるC-SEM、FE-SEMの需要が増加している。
また、海外においては、中国市場の急激な成長に伴い解析装置全般の需要が増加している。
2014年以降の製品動向について、透過形電子顕微鏡(TEM)では暗室での蛍光板上の像観察から高精細スクリーンカメラによる明るい部屋でのデジタル操作が主流となった。2017年には幅広いTEM解析ソリューションを提供する120kV TEM HT7800形を発売。また、2017年に発売のHD-2700形より採用した球面収差補正機能の技術を同年に発売、HF5000形透過電子顕微鏡(TEM/STEM)を継承した高い空間分解能と傾斜・分析性能を提供し現在に至っている。
走査電子顕微鏡(SEM)では、卓上顕微鏡、汎用SEM(C-SEM)、FE-SEMと多彩なラインナップがあり、卓上顕微鏡では、新型電子光学系を採用し視野探しナビゲーション機能を充実させたTM4000形シリーズを2017年に発売、C-SEMでは2016年に、従来機の性能を維持しつつ卓上顕微鏡レベルのコンパクト化を進めたFlexSEM1000形を発売、2019年に自動化機能の強化、大型試料の解析に対応、インチャンバカメラによる広角カメラナビゲーション等の機能を実現させたSU3800/3900形の販売を開始した。
FE-SEMでは、従来冷陰極型FE電子銃が主流であったが、2014年に発売したSU5000形によりショットキー型電子銃を搭載したFE-SEMにより、高分解能と高い照射電流による分析機能の充実し販売台数を増加させた。以降、極低加速観察能力の向上、多彩な検出器の搭載と画像の同時表示、EM Flow Creatorによる自動化の充実等により、2019年にSU7000形、2021年にSU8600形/8700形を発売している。
TEMやSTEMの利用が欠かせない最先端デバイスの解析において、集束したイオンビームで試料を照射し加工するFIBは、高精度の加工・観察に必須な装置となっている。那珂地区製品としては2019年のFB2200形発売を最後に富士小山地区製品へ移行している。それに伴い、販売する装置群もシングルビームFIBから加工と高分解能観察を同時進行できるFIB-SEMが主流となっている。
2015年に最先端デバイスや高機能ナノ材料の評価・解析用として、NX2000形の販売を開始、同年、三次元構造解析用のNX9000形を合わせて発売した。以降大型試料室を搭載したNX5000を2018年に発売している。また、FIB応用装置であるフォトマスクリペア装置に関しても、順次新製品の導入を進めている。
AFMでは、長年培ったSPM技術により自動化、信頼性、SEM、CSIとの親和性を強化したAFM5500を2016年に発売し、以降更なる信頼性能向上、操作性スループットを向上したAFM100シリーズを2022年に発売した。
CSIでは、光干渉技術での高い垂直分解能を有したVS1500シリーズを2015年に、翌2016年にVS1300、2019年にVS1800をそれぞれ発売している。
お客様に密接したサービスを提供するために全国各地へ拠点を拡大し、2014年4月には19拠点123名のサービスエンジニアが「拠点が基点」のサービスを展開していた。同年4月、サービス提案強化並びに収益拡大を目的としたコーディネータグループを、2017年にアプリケーションサポート強化のためアプリケーショングループを部門内に設置した。
2022年4月には、ソリューション開発及び販売の強化のためソリューション推進グループを、同年10月に海外部品販売管理強化のためグローバルサービスグループを部門内に設置し、さらなる体制強化を図っている。
2021年、日立ハイテクサイエンスBTサービス部の統合により、電子顕微鏡一部、電子顕微鏡二部の二部体制で解析装置のサポートを開始した。2022年度に二部門を統合することで、部門管理機能、テクニカルサポートセンタ、部品販売機能等を統合し両部門のサービスエンジニアのマルチ化を推進し、一元サービスの実現に向けた対応を進めている。
2015年より技術認定制度を導入し、エンジニア技術の定量把握および計画的なエンジニアのレベルアップを進めている。2017年、那珂地区NK棟に電顕サービストレーニング室が設置され最新型装置含めトレーニング機を配置、既存のつくば技術センタ設置の装置とあわせて、当社のみならず海外現法、代理店エンジニアのレベルアップ教育の実施に活用している。またワールド・ワイドを見据えたマルチエンジニアの育成も推進し、海外のハイエンド装置に対応できるように積極的に取り組んでいる。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行以降の働き方の変化、お客様のグローバル化に伴い、提供するサービスが大きな変革期にあると考えている。
全国拠点が真に均一なサービス品質を提供すること、製品の品質維持のみならず、お客様の成果を支援するアプリケーションサポート、製品の不具合を未然に防ぎ、復旧までのスピードアップをはかるリモートサポート、製品の多様化に追従するマルチエンジニアの育成への取り組み、海外顧客支援のための高い技術レベルの育成を行い、企業ビジョンである「その先を共に創造するベストパートナーをめざします」の実現をめざしていく。